- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県大府市
- 広報紙名 : 広報おおぶ 2025年3月1日号
「自治区」「コミュニティ」ってよく聞くけど、「実際何をしている組織なの?」「それぞれ違いはあるの?」と疑問に思ったことはありませんか。
同じ地域で暮らす人々が仲良く助け合いながら、さまざまな活動を行っているのが自治区・コミュニティです。
今回の特集では、皆さんが抱く「ソボクなギモン」に答えながら自治区・コミュニティについて紹介します。
誰もが安心して暮らせる地域を目指して、皆さんも自治区・コミュニティの活動に参加してみませんか。
■有識者に聞いてみた/自治区・コミュニティの今とこれから
○柔軟な考え方で自治区の運営を
現在、全国的に自治区への加入率の低下が課題に挙がっています。その土地で暮らす以上、最低限の地域問題に取り組む義務はあると思うので、地域の担い手である住民が地域に寄り添っていくことが大切です。
そのため全国の自治体に、まず自治区の活動を2つに分けることをおすすめします。防災やごみ収集などの必要不可欠な仕事と盆踊りなどのイベントを別にして、加入者が支払うお金も分けて徴収するなど明確にするといいです。さらに、役員の高齢化も懸念されています。女性や若者など、多様な人材が地域を担うようになれば、さまざまな立場の人の意見が加わり、より一層住みやすい地域になります。
そのために仕事と両立できるよう活動時間を変更するなど、従来の運営方法にこだわらず、柔軟な考え方で運営していくことが大切です。
名城大学 都市情報学部 昇秀樹(のぼるひでき)教授
■ソボクなギモン
Q 自治区ってどんな組織なの?
A 住民が安心して暮らせるまちづくりを行う組織です。
生活の中で起こる地域の問題解決に向けて、さまざまな活動を展開しています。
市内には10の自治区があり、自治区はいくつかの組で構成されています。
■ソボクなギモン
Q 自治区は何をしているの?
A
・福祉活動
住民の生活を支援するため、孤立防止のための見守り活動や募金活動の協力、ふれあいサロン活性化の支援などを行っています。
さらに、行方不明者が発生したときに、自治区などで円滑に情報伝達や捜索ができるよう、行方不明者捜索模擬訓練も行っています。
・防災活動
災害への備えを強化するため、避難場所の確認や避難訓練、災害時の連絡体制の整備などを行っています。
災害時には、自治区が中心となって地域の安全を守るために協力し、迅速な対応を図ります。
・広報・広聴活動
身近な地域の情報や生活に欠かせない市からのお知らせなどを回覧板で届けています。直してほしい道路や公共物に関する要望など、市との情報連携も行っています。
・防犯活動
住民の安全を守るため、計34台の青パトによる巡回パトロールや登下校時の見守り活動、市が行う防犯灯・カメラの設置・管理などの協力を行っています。
住民同士が協力し合い、地域の安全を維持するためのネットワークを構築します。
■ソボクなギモン
Q 実際にはどんな活動をしているの?
A
・きらきら☆ボランティアとの連携
石ケ瀬自治区と森岡自治区は、石ケ瀬小学校の児童有志「きらきら☆ボランティア」と一緒に、特殊詐欺防止のための啓発活動や青パト広報車を活用した音声啓発活動を行っています。これらの活動は、こどもたちの主体性を引き出すとともに、地域の方とこどもたちが交流する貴重な機会となっています。
・こどもどまんなか応援サポーターの宣言
市が発表した「おおぶこども輝く未来応援八策」の趣旨に賛同し、市内全自治区で構成する市区長会として「大府市こどもどまんなか応援サポーター宣言」を行いました。応援サポーターとして市と一緒に「こどもどまんなかおおぶ」をつくり、次世代を担うこどもたちのためにできる身近な取り組みを行っています。
※コミュニティも同様に宣言
・黄色いリボン・ハンカチ作戦の実施
各地域で実施する黄色いリボン・ハンカチ作戦は、災害発生時に道路から見える位置に黄色いリボン・ハンカチを掲示し、世帯全員の安否を近所の人に知らせるものです。災害時に備えて住民同士がつながり、誰もが安心して暮らせる地域を目指しています。
■ソボクなギモン
Q 自治区がなくなったらどうなるの?
A 暮らしにくいまちになります。
自治区加入率は減少しています。役員の高齢化も深刻で、運営に必要な人手が足りていない状況です。
自治区がなくなると地域の防災体制や福祉活動、ごみの分別・収集などの管理が行き届かなくなる可能性があります。住民同士のつながりが希薄になり、孤立した高齢者の支援や緊急時の協力が難しくなります。
○自治区加入率の推移