- 発行日 :
- 自治体名 : 愛知県大府市
- 広報紙名 : 広報おおぶ 2025年11月1日号
■つながる力が未来をつくる 環境パートナーシップ座談会
環境パートナーシップの核となって活動する6人のメンバーが集まり、連携の秘訣(ひけつ)や未来への思いを語り合いました。
—参加して良かったと思うことは?
山口:市内企業や団体と関わる機会って、普段なかなかないですよね。でも環境パートナーシップ(以下、環境パ)に参加してから「こんなにいろいろな人たちと一緒にできるんだ」と実感しました。鞍流瀬川での環境学習も最初は社内向けでしたが、相談してみたら皆さんとつながって、活動の幅が一気に広がりましたね。
竹内:水槽を貸し出す事業を始める際に、学校や保育園への調整は市が間に入ってくれたので、とてもスムーズでした。市が私たちの活動を後押ししてくれる環境パは、心強いなと思います。
倉元:私たちは、長年ごみの減量や堆肥作りを続けています。環境パに入ってからいろいろな人と出会えて、活動が外に広がるようになりました。皆さんの前で自分たちの活動内容を発表できる機会があることは、すごく励みになりますね。
佐藤:研究の幅も、学生の学びの幅も広がりました。最初はフジバカマを知らなかったんですよ(笑)でも「香りの研究に使えるかも」ってひらめいて。あとは、環境パの皆さんと一緒にイベントを運営する中で、学生が地域とつながる実感を持てるのも良いなと思っています。
大橋:私は、環境パに参加し、活動に対してヒントやアドバイスをもらったり︑フードドライブ活動を応援してくれる皆さんと出会えて、とても感謝しています。企業の方が「余ってるもので役に立てるかも」と寄付してくれて、それがこどもたちに届く。地域のつながりって、温かいなと思います。
筧:私たち社会福祉協議会は、あそびのいっぽとも連携してフードドライブ活動に取り組んでいます。協力するきっかけになったのは環境パでした︒地域のさまざまな福祉活動においても環境パの皆さんと関わりがあり、とても心強く感じています。
植木:皆さんの生の声が聞けるのは、市にとってもありがたいです。施策に生かしたり「これは後押しできるな」と思える機会も増えたりします。環境のテーマは、みんなの得意を持ち寄って、支え合っていく。そういうつながりが自然にできているのが、一番の魅力ですね。
—どうやって連携を築いてきたの?
山口:最初は何から始めたらいいのか分からないし、やりたいことがあってもノウハウがなくて。でも、環境パに相談したら、すごく丁寧にアドバイスをもらえたんです。従業員だけで始めた環境学習も、今ではいろいろな方と一緒にやるようになりました。勇気を出して相談して良かったなと思います。
倉元:やっぱり発表の場があったことが大きいです。活動を伝えることで「それなら協力できますよ」って声が掛かったり、場所を貸してもらったりしました。皆さんと話していると、モチベーションもすごく上がるんですよね。同じ思いの人たちがいるって感じられることが、継続する力になっています。
大橋:皆さんに支えられてここまで来られたなと思います。物や気持ちが循環する︑お金ではない支援の形にもこの場でたくさん出会えました︒見学に行かせてもらった愛三工業(株)の工場で「こういう場所で働きたい」って言う子もいて。そういうこどもたちの未来のきっかけに立ち会えるのもうれしいです。
植木:定期的に皆さんの活動を発信する場をつくることで、新しい仲間が入ってきたり、想像もしなかった連携が生まれたりと、いろいろな化学反応が起きるのが面白いですよね。
—今後の展望や目指したい姿は?
山口:「まち一番の地域貢献している会社」を目指しているのですが、そのためにも地域の自然や生き物を大事にしながら、環境の大切さを発信していきたいと思っています。
竹内:水槽貸出と松ぼっくりプレゼントを市内の多くの小学校と保育園に届けるのが目標です。こどもたちに「生き物って面白いな」と感じてもらえたら、それが一番の成果かなと思っています。
倉元:生ごみ焼却ゼロのまちを目指したいです。地球温暖化対策のためにも、今の活動を継続して、ゼロカーボンシティの実現に少しでも貢献できたらと思っています。
佐藤:学生には「二酸化炭素と私たちの生活ってどう関わってるんだろう?」って、身近なところから考えてもらいたいと思っています。市の条例だって、教材としてはすごく面白いんですよ。環境パでの意見交換の中に、授業のヒントがたくさんあります。こういう場があるからこそ、教育も研究もより深まっていくんですよね。
大橋:将来的には、私たちが食料支援をしなくてもいい社会になったら良いなと思っています。こどもたちやお母さんたちが、生きていることの楽しさや人とのつながりの温かさを感じられる場をこれからも提供していきたいです。
筧:私たちも、生活に困っている方の支援はもちろん、寄付者の皆さんとのつながりを大切にしながら、地域全体で支え合える仕組みを一緒につくっていきたいです。
植木:目標はゼロカーボンシティの実現です。それをみんなで達成したいです。いろいろな人の得意分野が輝いて、手を取り合って一緒に走り続けていく。そんなイメージで2050年に向けて進んでいきたいと思っています。
◆メンバーが共に描くゼロカーボンのまちづくり
Member Profile
○愛三工業(株) 山口綾穂さん
鞍流瀬川で市民向けの環境学習を行い、生物多様性保全を推進。市・他団体と連携し、川のいきもの観察会のPRにも力を入れる。
○(株)豊田自動織機 長草工場 竹内茂さん
こども向けに水槽貸出・観察会・松ぼっくりを使った体験イベントを実施。環境を楽しく学べる機会づくりに取り組む。
○地域婦人団体連絡協議会 倉元須麻子さん
堆肥作り・ダンボールコンポストの普及など、生ごみ焼却ゼロを目指し、市民への啓発に長年取り組む。
○至学館大学 准教授 佐藤桂さん
学生と共にごみ拾いや観察会に参加。大学の授業と連携しながら環境教育を推進し、フジバカマの香りが人体に与える効果の研究を行う。
○子育て支援サークル あそびのいっぽ 大橋房代さん
フードドライブや中高生・母親のための居場所づくりなど、子育て支援と環境配慮を両立した活動を展開。
○社会福祉協議会 筧祥太郎さん
企業・市民からの食料寄付を受け取り、必要とする方々へ届けるフードバンクを運営。地域の福祉と環境のつなぎ役として活動する。
○coordinator 環境課 植木孝
地域の環境活動をつなげ、発信する役割を担う。複数団体の連携による活動の推進を後押しし、やりがいと広がりのある場を目指す。
■Summarize つながりが広がる環境パートナーシップの輪
さまざまな事業を行う中で、環境パートナーシップのメンバー同士の交流も深まり、会議後には活発な意見交換が行われています。持続可能な社会の実現には、主体的に動くプレーヤーの存在が不可欠であり、メンバー同士の交流はその実現に向けた重要な基盤です。
環境パートナーシップでは、団体の垣根を越えて連携できるので、単独の活動に不安を覚える方にも安心です。地域の未来を守るために私たちと一緒に活動しませんか。
環境課 村下澄
問合せ:環境課
【電話】85-5335
