くらし 〔第54回 市長対談〕目指すは五輪連覇!夢と感動を届けたい(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 三重県津市
- 広報紙名 : 広報つ! 令和7年3月1日号
津市出身で、パリ2024オリンピック体操競技男子団体で優勝し、金メダルを獲得した杉野正尭(すぎのたかあき)選手。決勝ではあん馬、跳馬、鉄棒で演技し、うち2種目でトップバッターを務めるなど日本チームの優勝に大きく貢献しました。今回の市長対談では津市スポーツ栄誉大賞を受賞した杉野選手に、五輪にかけた長年の思いや更なる高みへの意気込みを伺いました。
●ロス五輪でも一番高い表彰台に立つ姿を見せてください
津市長 前葉 泰幸(MAEBA YASUYUKI)
●自分の演技が金メダルに繋(つな)がると信じて臨みました
パリ2024オリンピック体操競技男子団体 金メダリスト 杉野 正尭(SUGINO TAKAAKI)さん
1998年旧安濃町生まれ。村主小学校、東観中学校卒業。徳洲会体操クラブ所属。第55回・56回全日本シニア体操競技選手権大会(個人総合)、第77回全日本体操種目別選手権(あん馬)で優勝。パリ2024オリンピック体操競技男子団体にて金メダルを獲得、男子種目別あん馬6位・鉄棒7位に入賞し、津市スポーツ栄誉大賞を受賞。
市長:パリ2024五輪体操競技男子団体での金メダル、おめでとうございます。決勝は地元のサンヒルズ安濃でパブリックビューイングを行い、約300人が一体となり応援しました。
杉野:たくさんの人に熱い応援を届けていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
市長:決勝戦、まずは、あん馬に出場されました。
杉野:あん馬は落下が付き物で、バランスを崩すとすぐに落下するのですが、僕はこれで代表に選ばれたと言っても過言ではないくらい期待されていました。今までの練習や金メダルへの思いを演技に乗せ「チーム日本を勢いづけるんだ」と臨みました。
市長:演技前、日本チームは少し厳しい状況でした。プレッシャーはかかりましたか。
杉野:チーム内にミスがあったとしてもやるべき事は変わらないし、自分の演技が金メダルに繋(つな)がっていくと思っていたので、絶対に成功させる、練習通りにやろうと意識しました。
市長:やはり平常心ですね。次は跳馬の一番手に登場し非常に難易度の高いロペスという技を見事に成功させ、最終種目の鉄棒を迎えます。
杉野:この時点で絶望的とも言えるくらいの点差がありました。でも、日本代表体操男子は金メダルを取りにパリに来たのだから、最後まで何が起こるか分からないし、すべき事をして金メダルを取りに行くという強い気持ちで挑みました。
市長:そういう状況の中で、またも一番手となった鉄棒の演技も素晴らしかった。
杉野:自分次第でメダルの色が変わると思っていたので、何が何でも鉄棒をつかみにいくんだと演技をしました。自分の演技が終わった後、会場の空気感が日本優勢に変わったと聞いて、思いが演技に乗ったのかなと感じました。
市長:最後まで何が起こるか分からないことが実証されて見事金メダルに届いたのですね。次に続く岡選手、橋本選手にも気合いが伝わったのでしょうか。
杉野:2人にはどれだけ僕のパワーを吸い取ってもいいから、力に変えて演技してほしいと思いを託しました。
市長:4人の選手が橋本選手の背中にグッと力を入れるシーンが何度も放送されました。若いアスリートやスポーツ好きの少年少女はすごく感動したと思います。
杉野:たくさんの方から、元気をもらったとのメッセージをいただき、金メダルを取った以上に、皆さんに思いを届けられて、より幸せな気持ちになりました。