文化 文化財さんぽ(BUNKAZAI SANPO)Vol.40

■地下に眠る中川原・芝田の遺跡を探訪する
近鉄湯の山線沿線にはいくつかの遺跡があることをご存じでしょうか。中川原駅の北東には「宮の西遺跡」、市立病院の辺りには「小判田(こばんでん)遺跡」があります。古代から中世を中心とした遺跡で、過去に実施した発掘調査では、土器類や石器類のほか木製品が多く出土しました。
遺跡を特徴づける発掘調査の成果の一つに、木簡(もっかん)があります。出土した木簡は状態が良く、墨で文字が書かれていることが確認できました。特に宮の西遺跡からは柴田郷長右□[]と書かれた木簡が出土しており、「柴田郷(しばたごう)」という古代の伊勢国三重郡(いせのくにみえぐん)の郷名が記されています。この木簡からは、この地が「柴田郷」の中心的な集落であった可能性が考えられるほか、現在の地名「芝田」の由来であることも推測されます。
これまでの発掘調査では、集落の様子が分かる建物跡などの遺構は発見されていませんが、地下に眠る四日市の歴史に思いを巡らせながら、周辺を散策してみてはいかがでしょうか。日常の見慣れた光景も、少し見え方が変わってくるかもしれません。

問合せ:文化課
(【電話】354-8238【FAX】354-4873)