くらし いきいきマイタウン[番外編]

まちで起こった出来事や気になるあの人を紹介します

■駄菓子が結ぶ地域のつながり
《だがしやヤッホー》
住所:大安町丹生川上944大安工業有限会社内
開店日時:毎週水曜15:00~16:30
毎月第一日曜は貨物鉄道博物館前広場にも出店

▽母たちの手作り駄菓子屋がオープン
「ねぇ、今何時?」「もう3時っちゃう?」
大安町丹生川上の大安工業有限会社の敷地内にある駄菓子屋の前には、開店を今か今かと待つ子どもたちの姿がありました。
ここは、1月にオープンした毎週水曜にだけ営業する「だがしやヤッホー」。丹生川地区に住む母親たち3人で立ち上げた手作りの駄菓子屋です。
同地区で小学生の子どもを育てる服部純子さんは、少子化が進み、地域行事が減っていくことで、地域のつながりが希薄になっていると感じていました。
また、全国各地で発生する災害の報道を見て、非常時に力を発揮するのは、やはり「地域のつながり」だと感じるように。
「近くに商店がなく、子どもたちが安心して買い物できる店がないこともあり、地域みんなの交流の場となる駄菓子屋を思い付きました」と服部さんは話します。
店名のヤッホーは、地区の神事「屋奉(やほ)松明」をもじって名付けました。将来、子どもたちが自分の育った地域のことを思い出してくれたら、との願いが込められています。
オープン以降、買い物に来る子ども以外に、SNSを見た大学生がレジ打ちのボランティアに来てくれたり、老人会と交流したりと、多世代とのつながりが広がっています。
駄菓子を通した交流は始まったばかりです。

◇ヤッホーの力強い協力者
大安工業有限会社 日沖将康さん
〇お互いに協力し合う
駄菓子屋の構想を服部さんから聞いたとき、すぐに社員の休憩所として使っているプレハブを無償で貸すことを決めました。子どもたちのためにと、社員が近所の鉄工所と協力して手作りで日よけと風よけのひさしを付けました。
焼付塗装を営む自社がある丹生川地区は、人も景色もすごく良いところです。常々、この地域から応援される会社でありたいと思っていました。そんな中、駄菓子屋のアイデアを聞いて、自分たちが持っているもので、お互いに助け合えるのではと思いました。
こういう取り組みを通して、子どもたちが困ったときに「助けて」と言える場になりたいと思っています。

◇《interview》顔がわかる関係づくりのために自分たちにできることから始めました
・出口章代さん
・阪口あずささん
・服部純子さん
[出口さん]私の子どもの頃は、近所に駄菓子屋がたくさんありましたが、今の子どもたちには、昔のような顔が見える関係がありません。ヤッホーを始めて、私自身も子どもたちの顔を覚えることができました。
[阪口さん]ヤッホーをやってみて、うれしいのは子どもたちの笑顔を見られること。自分で計算して、ぴったりと会計が合ったときの笑顔がかわいいです。
[服部さん]地域ごとに抱える課題は違います。自分の地域で、自分のできることをやろうと始めました。ヤッホーで保護者同士が交流する姿も見られます。駄菓子を通して多世代の交流ができたら。