くらし 【特集】令和7年度当初予算(1)

当初予算として、総額約293億円を3月の令和7年菰野町議会第1回定例会に提案しました。一般会計の予算は約160億円で、前年度の予算と比較して4・6%の増となりました。今月号では一般会計予算について、諸岡町長が議会で行った提案説明とともに主要な事業等をご紹介します。

総額:293億3,444万円
一般会計:159億9,000万円

【提案説明】
顕在化する諸課題に正面から取り組みつつ、計画的でバランスのとれた行財政運営に取り組む

私が町長に就任してから「地域は家庭、町民は家族」の思いを胸に、子ども医療費の窓口無料化の実現や避難所マンホールトイレの整備など、福祉や防災事業を推進し、全ての町民の身体や生命、財産を守り、子どもから高齢者まで「安全安心に暮らせるまちづくり」に取り組んでまいりました。
令和6年を振り返りますと、1月1日に能登半島地震が発生し、当町は、災害発生直後から給水活動や避難所運営支援のために職員の派遣を行いました。改めて自然の猛威を痛感するとともに、切迫する南海トラフ地震などの巨大災害への対応の重要性を再認識したところであります。
また、昨年4月、人口戦略会議が全国の自治体の約4割が消滅可能性自治体であると発表しました。当町は消滅可能性自治体には含まれておりませんが、少子高齢化が進行する中、持続可能なまちづくりのためには産業や文化活動などの活性化を図り、老朽化したインフラ整備をはじめ、次代の菰野町に必要となる公共施設整備に取り組む必要があります。また、人口減少社会による人員不足が社会問題となる中、庁内DX※1の推進、他市町との広域連携などに取り組んでいかなればなりません。
そのような中、昨年6月には、いなべ市と定住自立圏形成協定を締結しました。今後は、東員町を含めた1市2町で「いーとこ定住自立圏」を形成し、必要な都市機能および生活機能の確保と充実を図っていきます。なお、定住自立圏形成協定の締結により国の財政支援が受けられる「地域活性化起業人」制度を活用し、10月から観光分野で民間企業から3名の派遣をいただいています。今後も、観光をはじめとした産業振興、DXによる業務の効率化や行政サービスの利便性向上などさまざまな分野の課題に対し、専門的なノウハウや知見を生かし、業務改善を進めてまいります。
また、地域活性化の取り組みとして10月にはいなべ市との連携で「ザ・ハイク鈴鹿セブンマウンテンズin藤原岳」を、11月には「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin湯の山温泉」を企画し、県内外や外国の方も含め多くの方に参加いただきました。9月には、(株)よしもとセールスプロモーション&エリアアクションと包括連携協定を締結し、桂(かつら)文枝(ぶんし)さんや三重県住みます芸人のオレンジ田中さんとともにまちの魅力発信を行いました。今後も吉本興業グループと連携し、地域に活気と元気を与えられるよう菰野町の魅力発信に努めてまいります。
令和7年度は、第6次菰野町総合計画第2期行政実施計画の2年目となります。防災や少子化、施設の老朽化などの顕在化する諸課題に正面から取り組みつつ、将来を見据えた計画的でバランスのとれた行財政運営に取り組んでまいります。まず、多様な主体と連携し、町民が安全安心に暮らせるよう地域を守り、道路や公共施設などの都市基盤を強化することで、持続可能な未来を創る取り組みを進めていきます。また、将来にわたり持続可能なまちづくりのために、引き続き公共施設の脱炭素化を推進するとともに、いなべ市と連携し、廃棄物処理施設の統合に向けた準備を進めます。さらには、次代を担う子どもたちの給食事業の推進に向け、学校給食センターの整備を進めていきます。加えて、増加する訪日外国人の方を対象に、町の文化や歴史などに触れていただける新たなツアーの開発など菰野町の特色を生かしたインバウンド事業に取り組み、地域の稼ぐ力を高め、地域経済の活性化に繋げていきます。
令和7年度も、人と人との「繋がり」とさまざまな企業・団体などとの「連携」を宝に未来へつなぐ飛躍の年として、議会、区長会、住民の皆さまのご協力をいただきながらオール菰野で取り組んでまいります。

※1 DX…「デジタル・トランスフォーメーション」の略で、IoTやICTなどのデジタル技術を活用して、人々の生活をより良く変革していくことを指します。