くらし 所信表明2025(4)

◇観光振興
観光振興につきましては、昨年7月に熊野古道が世界遺産登録20周年を迎えており、県や近隣自治体、関係機関と協働しながら本地域の重要な資源や魅力を広く発信したところ、本地域に注目が集まっている状況であります。
令和7年度につきましても引き続き、地域の事業者などと連携を図る中、本地域ならではの自然や文化を実際に体験できる機会を創出し、訪れる方々に紀宝町の魅力を深く体感していただくことにより地域との強い結びつきを育ててまいります。
自転車観光の取り組みとしましては、一般社団法人東紀州地域振興公社と東紀州地域の各市町が連携を図り、令和3年5月にナショナルサイクルルートとして指定された「太平洋岸自転車道」の魅力を発信するとともに、自転車利用者に快適な施設や休憩所を提供することで、訪れやすい観光地づくりを推進してまいります。
町の情報発信につきましては、引き続きウミガメ公園や飛雪の滝キャンプ場を中心に、地域の事業者とともに町の魅力発信に取り組んでまいります。また、ふるさとマイレージ企画を通じて「紀宝町ふるさと応援団」のみなさまに魅力発信を行っていただくことで、関係人口の増加にも努めながら情報発信の強化を図ってまいります。
昨年12月には一般国道42号「新宮紀宝道路」が開通し、地域内での移動がスムーズになり、観光誘客への可能性も大きく膨らんでおり、また、令和7年4月から2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」が開催されますことから、日本全国・世界各国からの観光客が関西に集中することが想定されます。
万博の開催や高規格幹線道路の整備効果も見据えながら、地域の事業者が持つアイデアや地域特有の資源を活かすことで、紀宝町の観光地としての魅力を一層高め、地域全体の活性化へとつなげてまいります。

◇総合住民情報システム
総合住民情報システムの標準化・共通化につきましては、令和3年に「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」が施行され、地方公共団体における事務処理内容の共通性や町民の利便性の向上などを図る観点から、標準化対象の20業務に関する情報システムは、令和7年度末までに「標準準拠システム」に移行するとともに、国が整備するガバメントクラウド上での利用に努めることとされております。
これらを整備することにより、将来的に地方公共団体における人的負担等の軽減を図り、地方公共団体の職員が町民への直接的なサービス提供や地域の実情を踏まえた企画立案業務などに注力できるようにするとともに、オンライン申請等を全国に普及させるためのデジタル化の基盤を構築することが可能とされております。
本町におきましても、現在、熊野市と実施している自治体クラウドから、令和8年1月にガバメントクラウド上における標準準拠システムへの移行を進めていく予定としており、本業務の推進にあたりましては、安全性の高いシステムの構築、および住民サービスに支障が生じないよう円滑な移行に向け、取り組んでまいります。

◇生成AI
生成AIにつきましては、現在、世界的に様々な業種での活用が期待されており、三重県を含む県内の複数の市町においても導入が進められているところであります。
本町におきましても、生成AIの本格導入に向けて取り扱いルールの制定や利用環境の整備を行ってまいりますとともに、令和7年度には、全職員対象の職員研修やワークショップ、生成AIを先行導入している他自治体の事例調査・研究などの実施を予定しております。
生成AIを活用することで、文書作成、情報収集、企画立案といった事務作業の負担軽減・効率化を進めてまいりますほか、窓口業務の支援などといったさらなる活用方法を模索し、行政サービスの向上にもつなげてまいります。

◇避難誘導灯・避難看板
防災・減災対策につきましては、夜間停電時においても安全で迅速な避難を確保する「蓄電池式避難誘導灯」を、鵜殿・井田・成川地区の主要避難路へ整備いたしました。令和7年度におきましては、神内・鮒田・高岡地区の整備を進め、順次町内全地区で整備してまいります。
また、夜間に誰もがわかりやく、より有効な「高輝度蓄光式の避難誘導看板」を令和7年度から鵜殿・井田・成川地区に設置してまいります。