くらし 所信表明2025(7)

◇子育て支援施策
子育て支援施策につきましては、国は家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者を「ヤングケアラー」として定義し、各種支援に努めるべき対象としております。
本町では、各種の相談対応などを行っておりましたが、新規のヤングケアラー対策として「紀宝町ひとり親家庭等日常生活支援事業」を創設し、ひとり親家庭等が日常生活を営むのに支障が生じている場合等に、家庭生活支援員を派遣し、生活援助や子育て支援等を行い、生活安定につなげてまいります。
また、児童を養育している家庭の保護者が、疾病その他の理由により家庭における児童の養育が一時的に困難となった場合等に、児童を児童福祉施設等において一時的に養育し、または保護する「紀宝町子育て短期支援事業(ショートステイ)」を実施し、児童および家庭の福祉向上を図ってまいります。
次に、小学校へ入学する児童を持つひとり親家庭に対しましては、入学祝金として児童一人当たり3万円を支給するなど、継続的に当該家庭の経済的支援を図ってまいります。
次に、「チャイルドシート購入補助事業」につきましては、子育て世代の経済的負担の軽減などを目的に、子どもの成長に合わせた形で児童1人に2回の補助を継続して行ってまいります。

◇障がい者支援施策
障がい者支援施策につきましては、新規事業といたしまして、788種の小児慢性特定疾病とされる難病を患う児童を対象に、日常生活を送るうえで必要である用具を給付する「紀宝町小児慢性特定疾患児日常生活用具給付事業」を創設し、日常生活の円滑化を図ってまいります。
また、紀宝町・御浜町・熊野市で運営しております、紀南地域障がい者総合相談支援センター「あしすと」に、より専門的な支援が受けられる基幹相談支援センターとしての機能を付加し、「総合的・専門的な相談支援」、「地域の相談支援体制の強化」、「地域移行・地域定着の促進」、「権利擁護・虐待防止」などの取り組みを実施してまいります。
さらに、地域で安心して日常生活を送ることができるよう、就業支援や地域移行支援に必要な社会資源の確保に向け、紀南地域障がい者就業相談センター「カラーズ」との連携強化や、社会福祉法人等への働きかけなどを行ってまいります。

◇育児支援
育児支援につきましては、令和5年度に拡充しました出産祝い金では、引き続き第2子10万円、第3子20万円、第4子以降30万円を支給し、「まちの宝」の誕生をお祝いしてまいります。
また、子育て支援センターと図書館の複合施設「紀宝はぐくみの森」におきましては、子育て支援センター事業と読書活動を組み合わせるなど、さらなる育児支援の充実を図ってまいります。
ファミリーサポートセンター事業につきましても、会員の増員を図るためのサポート会員講習会を引き続き開催するなど、地域で子育てを支援できる体制のさらなる強化を図ってまいります。
放課後児童クラブ事業につきましては、保護者の就労状況等により、受け入れ児童が増加傾向にあります。
委託先の町社会福祉協議会と連携して児童の受け入れ態勢の強化を図り、児童が安心して過ごすことができる様々な活動を展開するとともに、利用料の一部を減額するなど保護者の就労支援・子育て支援の充実に努めてまいります。

◇高齢者施策
高齢者施策の主要な取り組みといたしましては、身寄りのない方への成年後見制度利用支援、ご自身が望む医療やケアを共有する人生会議の推進、また、認知症サポーターなど、近隣住民等の関係者がチームとなり認知症の方や家族に対する早期の支援、見守り等を行う「チームオレンジ」の活動を含め、個別ニーズにあわせた支援が行える体制づくりを推進してまいります。
また、介護の担い手が不足する中で、軽度な生活支援等を担える人材の確保を行うことにより高齢者の生活を支えていく「生活支援体制整備事業」を、委託先の町社会福祉協議会と連携し拡充してまいります。
さらに、近年、医療と介護の連携がますます重要視されておりますことから、紀南病院に設置されている「在宅医療介護連携支援センターあいくる」との協働により、多職種連携事業、研修会などを実施し、在宅医療介護に対応した取り組みを図ってまいります。
介護関係の施策では、介護の程度が重く、常時介護が必要な方を介護している方に月額5,000円の介護手当を支給してまいりますとともに、寝たきりの高齢者や認知症の高齢者等を在宅介護する家族等に対して月額6,000円分の介護用品を支給し、介護を受ける方とその家族に対する経済的負担の支援を行ってまいります。
また、聴力機能の低下により日常生活に支障をきたしている高齢者の社会参画の促進、および日常生活の質の向上を図ることを目的といたしまして、65歳以上の方で補助対象の方に、購入費用に対し3万円を上限に「高齢者補聴器購入費用助成事業」を継続して実施し、まちの「誇り」である高齢者が充実した日常生活を送ることができるよう支援してまいります。
今後も、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築を推進してまいります。