文化 甲賀の文化財

◆海を越えた異文化交流
大阪・関西万博がいよいよ開催されます。万博は世界中の人やモノが交流するイベントです。今回は甲賀水口の歴史から異文化交流をみていきましょう。
古墳時代に築かれた塚越古墳(水口町泉)の副葬品と考えられる遺物には、中国・南宋で五世紀代につくられた可能性のある内行花文鏡(ないこうかもんきょう)や、朝鮮半島から伝来した当時最新の技術を駆使した金銅装(こんどうそう)の冑(かぶと)があります。泉古窯(水口町泉)で生産された須恵器の技術も朝鮮半島から伝えられたものであり、古くから海外との文化交流がみられます。
江戸時代の東海道水口宿の名産品「水口細工」は、その精緻な葛籠(つづら)細工により人々の心を魅了しました。商館員らが江戸参府の途中で手に入れた水口細工は、オランダ国立民族学博物館に所蔵されています。
少し時代はさかのぼりますが、十五世紀から十七世紀までは大航海時代と称され、貿易等によって世界各地から様々な文化・器物が日本に持ち込まれ、あるいは輸出されるなど、東西交流が活発な時代でした。藤栄神社(水口町梅が丘)に伝わる十字形洋剣は十七世紀初期に、日本人の職人が実物を見て模倣して制作したものです。つまりこの剣そのものが東西交流を裏付けているのです。京都国立博物館で展示される日本美術の至宝とともに、この剣がもたらした東西文化の奇跡の出会いをお楽しみください。

◇大阪・関西万博開催記念特別展 「日本、美のるつぼー異文化交流の軌跡ー」
・水口レイピアも展示しています!
会期:4月19日(土)〜6月15日(日)
場所:京都国立博物館

問合せ:水口歴史民俗資料館
【電話】62-7141【FAX】63-4737(図書館兼用)