くらし 「発達支援センター通信」

■「自閉スペクトラム症のコミュニケーション」
「目は口ほどに物を言う」と言うように、私たちは日常的に言葉だけでなく、視線を使ってコミュニケーションを行っています。目を合わせることで相手の感情や意図を感じ取ったり、言葉で伝えきれない思いや考えを視線で伝えたりしています。視線は、大切な情報源であり、私たちが円滑にコミュニケーションを取るために不可欠な要素となっています。
しかし、自閉スペクトラム症の人にとっては、視線を使ったコミュニケーションが難しいことがあります。特に、自然と相手の目に注意を向けることが苦手なため、表情を読み取るのが難しくなる場合があります。これが自閉スペクトラム症の人が「視線が合わない」と言われる理由の一つであり、相手の感情を理解しにくくなる要因となっています。
とはいえ、全く目に注意を向けることができないわけではありません。自然と目に注意が向かなくても、意識的に目を見る練習をすることで、表情を理解する力を育むことができます。例えば、表情の写真を使って感情を考えるトレーニングがあります。これにより、自閉スペクトラム症の人が少しずつ表情を通じたコミュニケーションを理解しやすくなることが期待されます。
このようにさまざまなコミュニケーションのトレーニングを使うこともありますが、周囲の人ができる日常的な関わりの工夫としては、わかりやすく具体的な言葉を使うことや、絵カードなどの視覚的なサポートを取り入れることが挙げられます。また、「うれしいね」「たのしかったね」「いやだったね」など、思いを代弁する声かけをすることで、自分の気持ちを伝える経験を増やすことも効果的です。周囲が焦らずに寄り添うことで、安心してコミュニケーションを練習する環境が整います。
自閉スペクトラム症の人の特性を理解し、少しずつその人に合った方法で支援を続けることで、コミュニケーションの幅を広げることができます。できないことに焦点を当てるのではなく、できる可能性を広げる支援が世界を豊かにしていきます。

問合せ:発達支援センター
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