- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府舞鶴市
- 広報紙名 : 広報まいづる 2025年9月号 Vol.1075
市長
地域の人との関係はどうですか。
岡山さん
家の中で子ども達が騒いでしまい「うるさくてすみません」と、近所の人に謝ると「活気があっていいじゃないか」と、温かく受け入れてくださいます。舞鶴に引っ越して来たばかりのころ「子どもは地域の宝だよ」と言っていただいたのは、本当にうれしかったです。都会では人の多さもあって、子連れで出かける時に「すみません」と度々口にしていましたし、周囲に迷惑をかけないように、常に気を遣っていたように思います。
市長
都市部から移住される人は、田舎での地域との付き合いが大変と感じる人もいますが、岡山さんにとっては地域の温かさがプラスになったんですね。
岡山さん
地域の皆さんの優しさはとてもありがたいです。そこが移住して一番良かった点です。ただ「田舎暮らしはスローライフ」というイメージは、少し違うと感じています。頻繁に行われる地域での清掃活動や村の行事に、その都度、動員されます。私は現在、市の移住サポーターをしていて、移住を検討している人には、その事も伝えています。
市長
おっしゃるとおりです。移住は、人生を大きく左右することなので、、移住に関するいろいろな側面について実情を正しく伝える必要があると思います。
岡山さん
それから、移住したいという声を聞き「やったー」と思ったら、意外と空き家がないんです。以前、空き家の所有者に話を聞くと「この先、誰も住む予定がないけれど、人に貸すのは抵抗があるのでこのまま置いておきたい」という話を伺ったことがあります。舞鶴って、田舎暮らしに関する本で、ランキングがどんどん上がってきているので、お互いがメリットのある形でマッチングできたらいいですね。
市長
そうなんです。現状がベストではなく、空き家の所有者や移住希望者が気にされている細かい事までくみ取り、空き家バンク制度をアピールしていく必要があります。
岡山さん
ぜひ、私で良ければお力添えをさせていただきます。
市長
ありがとうございます。SNSで多くのフォロワーを抱える岡山さんの日々の生活や子育て情報の発信が、舞鶴に非常に大きな影響力をもたらしています。また、コミックエッセイストとして、全国に発信いただいていることもありがたいです。
岡山さん
コミックエッセイストとして、仕事を始めるきっかけは、移住したことです。移住した当時、埼玉県の友人に向けて近況報告のつもりで投稿したのが始まりです。また、子ども達が成長する姿を記録として残しているという感覚で、子どもが大きくなった時に「手紙」として渡したいという思いで描いています。
市長
仕事と育児の両立は大変ではないですか。
岡山さん
私は両立しているとはいえないです(笑)。100点満点を目指すと苦しくなるので、原稿の締め切りで余裕がない時は家族全員の力を借りて何とか乗り切っています。本のタイトルにもある「たのしいことを拾って生きる。」をスローガンに、日々の小さな幸せを見落とさないようにしたいです。
市長
今後、挑戦したいことはありますか。
岡山さん
この家を片付けた経験を生かして、古道具屋を始めようと考えています。空き家に残されている道具をただ捨てるのではなく、再び息を吹き込むことができるようにしたいです。なので、次回作は『まりげ古道具屋を始めました』かもしれません(笑)。
市長
楽しみにしています。ファンも多く、舞鶴の知名度アップにも大きな影響力を持っておられるので、今後も自然体のままで、舞鶴の魅力を伝えていってもらいたいと思います。
岡山さん
実は、私は自分のことを「路上ミュージシャン」だと思っていて、自分が感じたことを好きなように描いているだけなんです。それを時々足を止めて読んでくれる人がいると良いなという感覚です。私の発信が、結果的に舞鶴に興味を持ってもらうきっかけになっていればうれしいです。これからも素直に自分の思いを発信しようと思います。
市長
本日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。引き続き、よろしくお願いします。
岡山さん
こちらこそありがとうございました。
担当:ふるさと応援課