- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年3月号(No.946)
◆タナクロスタッフ
東洋コミュニティサービス株式会社(東レ建設グループ) 中島波さん
〔浴衣を着るきっかけとなるイベントを企画したい〕
お店に足を運んで、映えるメニューの写真を撮るのが趣味です。
東洋コミュニティサービス(株)に所属し、タナクロで働く中島さんに話を伺いました。
◇タナクロで働くまでの経緯は
これまで10年間ほど、民間の工場でパート従業員として働いていました。しかし、療育手帳を持っているために正職員になれず、偏った見方によって自分の頑張りを見てもらえていないのではないかと感じていました。そんな中、年齢や性別、障がいの有無に関係なく自分の頑張りを認めてもらえる会社と出会い、転職を決意しました。砂栽培の研修を経て、1月からタナクロで従事し、現在はオープンに向けてハウスで種まきや公園内の清掃を行っています。
◇タナクロでしたいことは
市民の皆さんに気軽に来ていただける楽しいイベントを企画したいです。例えば、以前、市内で開かれていた花火大会がなくなったため、手持ち花火を使ったイベントを企画し、浴衣を着るきっかけをつくりたいと考えています。その際には、私自身が技術を身に付けてこどもたちに着付けをしてあげたいです。そして、こどもたちに手を振ってもらえるような距離感で愛されるスタッフになりたいです。
◇自身のことを教えて
外見からは分かりにくいですが、感受性が強く、生きづらさを感じる特性があります。色々な人と関わることで気が紛れ、不安も和らぐため、できるだけ外に出るようにしています。就職のために手帳を取得しましたが、良い面と悪い面を実感しています。良い面としては、就職に役立つほか、さまざまな支援を受けられます。ただ、支援を受けるか受けないかは自分で判断する必要があります。一方で、職場で正当な評価を得られなかったり、偏見の目で見られたりすることがあり、悲しい思いをすることがあります。
現在は障害者年金をいただいていますが、今後、自分の頑張りが認められ、給料だけで生活できるようになれば手帳は返納しようと考えています。
◇市民の皆さんにメッセージ
タナクロを訪れた際には、ぜひ気軽にスタッフに声を掛けてください。私たちは、皆さんが元気を持って帰れるようなタナクロを目指して頑張ります。まだまだ先の夢になるかと思いますが、いつかはタナクロの中だけでも偏見のない世界をつくっていけたらと思っています。誰かの役に立ったり、元気がもらえたり、そんな出会いを大切にして、誰もが働きたいと思える公園にしたいです。
■取材後記-広報担当者のつぶやき-
今回の取材を通じて、私自身が障がいのある人に対して先入観を抱いていたことに気付きました。取材前は、「障がいのある人だから、分かりやすい言葉でゆっくり質問しよう」「傷つけないように発言には細心の注意を払おう」と考えていました。しかし、実際に対面で取材を行ってみると、健常者との違いが全く感じられませんでした。中島さんが望むように、「障がいのある人だからできない」という決めつけをなくし、誰もが分け隔てなく笑顔で交流できるバリアのない社会がタナクロを拠点に広がることを心から願っています。
問合せ先:公園緑地課
【電話】64-1344