文化 《特集1》秋祭の三重奏(1)

歴史のある本市には、地元で大切に受け継がれている伝統行事があります。今号では、10月に行われる市指定の3つの無形民俗文化財を紹介します。

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■大住隼人舞(おおすみはやとまい)
~市文化財指定から50年 6つの勇壮な古代の舞~
大住隼人舞は、大住地域の月読神社と天津(あまつ)神社で、毎年10月14日の夕刻に奉納される舞です。昭和46年に同地域の青年5人が、鹿児島県の日枝(ひえ)神社に伝わる神楽(かぐら)をモデルに復元しました。翌年に大住隼人舞保存会が結成されると、昭和50年、田辺町(現京田辺市)無形民俗文化財第1号に指定されました。今年は市文化財指定から50年の節目に当たります。

日時:10/14(火)
場所:
・天津神社 午後6時30分から
・月読神社 午後7時30分から
公共交通機関で来場してください。

◆隼人の歴史
大住隼人は、今から1千300年ほど前に九州の大隅地域から、現在の大住地域に移住した人々のことで、「大住」の地名の由来と考えられています。隼人の人々は当時都であった平城宮の警備や芸能活動を行い、朝廷に奉仕したといわれています。

◆奉納される6つの舞
大住隼人舞は6つの舞から構成されています。舞人を務める地元中学生・高校生が、古代装束を身にまとって剣や盾などの武具・鈴などを持ち、太鼓や笛の音に合わせて踊ります。1から6の順で奉納します。
1.お祓(はら)いの舞…神々を迎えるために、舞台を清めます。
2.神招(かみおぎ)の舞…舞台に「月読の神」「天津神」「国津神」など八百万(やおよろず)の神々を呼び招きます。
3.振剣(ふりつるぎ)の舞…けがれを払い、隼人の勇ましさを誇示します。
4.盾伏(たてふせ)の舞…盾を持ち、外からの悪霊を防ぎます。
5.弓の舞…弓の技術を誇示し、狩猟の豊かさを祈ります。
6.松明(たいまつ)の舞…八百万の神々に感謝を表します。

◆舞の盛り上げに一役
◇隼人踊り
昭和48年に創作された「隼人踊り」。地元の小学校の女子が花笠をかぶって華やかに踊ります。

◇龍笛の演奏
古代の空間にいざなう龍笛の音色。地元の小・中学生、高校生が演奏します。

◆昭和にタイムスリップ
※写真は本紙をご覧ください。
54年前(昭和46年)…市文化財指定を受ける前の大住隼人舞の奉納。境内に敷いたござの上で舞う素朴な舞でした。