- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年10月号(No.953)
◆〔Interview〕伝統の守り人 佐牙神社 氏子総代 藤井康夫さん(79)
週1回のペースで仲間とゴルフを楽しんでいます。家では家庭菜園でさまざまな種類の野菜を育てています。
~「百味」の陳列は見映えを意識~
◇百味は「映え」を意識
「百味」は約70軒ある氏子から提供してもらっていて、中にはキビ・アワなど百味のために育てている穀物もあります。100種類を揃えるのは非常に困難で、やむを得ず区外や市外から入手している物もあります。近隣で手に入りにくい農産物は旅先などで確保し、行事の時まで冷蔵庫で長期保存することもあります。
また、多種多様な農産物を神棚に陳列しますが、ただ並べるだけでなく、「映え」を意識しています。見た目を美しく豪華に見せるため、色味や大きさをバランスよく配置する工夫をしています。
◇巫女の後継者が来年デビュー
「湯立」の巫女を長きにわたって務められた方が2年前に亡くなったことで、行事の存続に危機が訪れました。臨時的に水口(滋賀県)や精華町にある神社の巫女に来ていただくことで、なんとか湯立を継続させていましたが、来年からは、神職の修行を積まれている地元の大学生にお願いできそうです。湯立は多くの参拝客が訪れる行事の華なので、末永く続けていきたいです。
◇伝統文化を守るため知恵を絞る
氏子の数は年々減りつつありますが、先祖から受け継いできた行事を、私たちの代で終わらす訳にはいきません。地元の氏神である佐牙神社を守っていくため、参拝客を増やすアイデアや注目を集める工夫をみんなで知恵を絞って考えています。
◆〔Interview〕伝統の守り人 大学2年生 森村心桜(こころ)さん(19)
日本史と神社仏閣巡りが好きです。
~神職を目指して修行中!来年の湯立で巫女デビュー~
父は佐牙神社など4社の宮司を務めています。私は将来、父の跡を継ぐ予定のため、この夏休みの1カ月、神職養成学校に週6日のペースで京都市まで通っていました。30人程が合同で、座学や作法など神職の基本的な知識・技術を習いました。朝8時半から夕方6時半までみっちり学んだ後、続けて1時間ほど自主練習に励みました。初めて教わることばかりで大変な上、2時間の正座が私にはかなりつらかったです。
宮司になるのは父が引退してからなので当分先になりますが、地域の人に安心と前向きな気持ちをもってもらえるような神職を目指して、現在も修行に打ち込んでいます。
そんな私ですが、来年の湯立から巫女を務めさせていただく予定です。多くの参拝者の前で堂々と舞えるか心配ですが、落ち着いて作法を間違えずにやり遂げたいです。
◆昭和にタイムスリップ
※写真は本紙をご覧ください。
40年前の百味と湯立(昭和60年)…この時の神棚は3段。湯立では顔を伏せたり手を合わせたりする参拝者の姿が見られます。
■〔認知度〕市民にLINEでアンケート
市指定無形民俗文化財をテーマに、2年ぶりに市民の皆さんにLINEアンケートを行いました。323人の回答者のデータと意見の一部を紹介します。詳しくは、市ホームページをご覧ください。
( )内は前回のアンケート結果からの増減。いずれも上昇していました。
◇感想・意見など
・夜に行われる大住隼人舞は、松明の明かりなど幻想的で見た時は感動した。こどもが伝統を守って練習しているのも素敵
・瑞饋神輿の制作現場をたまたま見かけたが素晴らしかった
・百味と湯立は、地元の人も含めてもっと知る機会があるといい。幽玄かつ厳かな湯立が今も息づいていることに感動した
・25年も市内に住んでいるのに、全く知らなかった。もっと目につくようなお知らせがあるとうれしい
・市内に古代の息吹を感じさせる行事が残っていてとても良い。この伝統行事をみんなで考え、感じ、それを大切につないでいくことが重要だと思う
問合せ先:秘書広報課
【電話】64-1320