- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府京田辺市
- 広報紙名 : ほっと京たなべ 令和7年10月号(No.953)
◆日本を代表する数々のイベントで舞う
◇奈良平城宮跡で披露
~聖武天皇即位1300年をみんなで祝おう!ナイトサイトミュージアム~
ライトアップされた大極殿前に設置された舞台で、勇壮な舞を披露。松明の舞では照明が落とされ、大極殿をバックに舞人の姿がシルエットで浮かび上がりました。(昨年11月23日)
◇大阪・関西万博で披露
~meet up Kyotoきょうと大集合 ステージイベント~
大阪・関西万博の関西パビリオンで、実際とほぼ同じ大きさの舞台を短時間で再現。大屋根リングが見下ろす場所に設けた観客席には、外国人など多くの人が舞に見入っていました。(5月3日)
◇〔Interview〕舞人 大谷高等学校3年生 岩本真輝さん
~舞って6年。今後は指導役に~
幼い頃から憧れていた大住隼人舞に関わるようになったのは、中学校1年生の時でした。コロナ禍で奉納の機会が減る中でも、伝統を守りたい一心で練習を重ね、南座や平城宮跡など歴史ある舞台に立つことができました。6年間の活動の先には、大阪・関西万博という世界の方々に見ていただく舞台も経験し、大切な仲間とともに大住隼人舞の魅力を広く届けることができました。
今後は、中学生への指導やゆかりある地域との交流を通じて、多くの人の心を躍らせる舞を、末永くつないでいければと考えています。
◆〔Interview〕伝統の守り人 大住隼人舞保存会 会長 石坂清さん(70)
地域の農業委員を務めて6年目。
米作りしながら、保存会の活動に励んでいます。
~11月に隼人族と縁がある鹿児島県の3大祭りに出演します~
◇最近の保存会の活動は
昨年2月、京都南座で京都を代表する伝統芸能の1つとして出演しました。各演舞の時間が秒単位で決められるなど制約がありましたが、舞を短く組み替え適応させました。また、同年11月には「隼人の盾」が出土した奈良の平城宮跡で聖武天皇即位1300年記念特別展に出演しました。大極殿前に舞台が設けられ、幻想的な夜間演出の中、宮廷で演じたとされる舞がこの地で披露できたことは感慨深いものがありました。
◇大阪・関西万博での披露は
5月3日、大阪・関西万博の関西パビリオンで、国内外から訪れた多くの観客の前で披露できたことは特別な思い出です。舞台裏としては、搬入は出演時間の30分前と決められていたので、前日に北部住民センターで組み立ててからトラックに積み込むことで、スムーズな舞台設営ができました。また、マイクで各舞の解説をする際に、外国人にも伝わるよう日本語と英語を併用しました。
◇今後の展望は
大住隼人舞のルーツは鹿児島県大隅地方といわれています。その鹿児島県の3大祭りの1つに数えられている「弥五郎どん祭り」(曽於(そお)市)からオファーがあり、11月に出演を予定しています。今年創建千年を迎える岩川八幡神社の伝統行事で、大切な記念の年に招かれたことはとても誇らしく思います。約5mある武人姿の弥五郎人形が町内を練り歩く行事ですが、この弥五郎という人物は隼人族の首領という説もあり、縁を感じています。
◇市民の皆さんへメッセージ
大住隼人舞は月読神社で奉納するイメージがあると思いますが、1時間前に岡村地域の天津神社でも奉納しています。薄明かりの中で、質素なござの上で舞う姿は、見る人を古代へいざなってくれます。こちらもぜひ、見に来てください。
◆もっと知りたい!隼人舞
◇舞を動画で公開
府地域文化活性化連絡協議会の公式ユーチューブ(本紙の二次元コード参照)で、隼人舞の紹介動画を視聴できます。
◇盾を展示
平城宮跡資料館(奈良市)では、隼人の盾(複製品)が常設展示されています。昭和38年の発掘調査で発見されました。
◇盾が描かれた駅前ストリート
田辺駅前大通りの地面には、魔除けの紋様が入った隼人の盾が描かれています。