くらし 特集 災害は今起こるかもしれない(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 京都府久御山町
- 広報紙名 : まちの総合情報紙 広報くみやま 令和7年9月1日号 No.1174
■能登半島地震から学ぶ
昨年1月1日16時10分に発生した能登半島地震。マグニチュード7.6、石川県能登半島地方で最大震度7を記録し、甚大な被害をもたらしました。
一次避難所は400か所以上設置され、ピーク時には4万人以上が避難を余儀なくされました。
◇物資がスムーズに届かないことも
政府がプッシュ型で食料や燃料、生活用品などの物資を被災地に送り始めたのは発災翌日の1月2日。甚大な被害を受けた地域は能登半島の先端エリアに位置し、自動車専用道路「のと里山海道」などが寸断されたこともあり、物資が行き渡るには時間を要しました。(実際、政府検証チームの自主点検レポートでは、「発災直後に避難所によっては食料などの物資が不足した事例がみられた」としています)
◇避難生活に必要なこと
大規模災害が発生すると、避難所は「地域での生活を失った人の拠り所」となり、「被災者の支援拠点」となります。もし、避難所で生活を送らなければならないとき、必要なことは何でしょうか。
◇近隣の人からの情報が活動の手助けに
[消防本部 今田圭亮(いまだけいすけ)]
能登半島地震発生後、昨年の1月4日~8日と22・23日の7日間、珠洲市に出動しました。現地の状況はニュースで見ていましたが、実際に向かってみると道もなく、建物も倒壊し、進めば進むほど壊滅的な状況でした。
現地の消防本部には多くの119番通報が入り、そのほとんどが未着手でした。私たちは通報のあった現場に行き、要救助者の検索活動を実施しました。
検索活動をしていると、地元の人から「ここの人はもう避難したよ」と情報をいただけました。その情報のおかげで、必要としている場所に向かうことができ、円滑な活動につながりました。
私たちが活動をした地域は、地元の人のつながりが強く、さまざまな情報をいただけました。普段からの地域のつながりが災害時には重要だと実感しました。
◇普段からの地域のつながりが大切
[総務課防災担当職員 寺内拓也(てらうちたくや)]
昨年の1月17日~21日の5日間、石川県七尾市の避難所となっていた中島地区コミュニティセンター西岸分館に被災地支援に行きました。そこでは、約30人が避難生活を送られていました。
避難所ではコミュニティセンターの館長を中心に、避難者の皆さんで起床時間や食事時間、ラジオ体操の時間などを決め、自分たちのことは自分たちでするという意識で生活されており、悲壮感をあまり感じなかったことが印象的でした。避難されている皆さんは同じ地域の人たちで、避難者同士だけでなく、コミュニティセンターの職員とも顔見知りで、相談しやすい環境にあったことも要因だったと思います。
能登半島地震の被災地支援を通じて避難所運営では、地域コミュニティや避難所で生活される人同士の協力が不可欠だと感じました。