くらし 特集 災害は今起こるかもしれない(2)

■災害を乗り越える避難所生活
災害が起こったとき、避難所は命をつなぐ大切な場所になります。しかし、多くの人が集まる避難所では、物資や設備に限りがあります。
また、行政職員は災害対応だけでなく行政機能の維持なども同時に行う必要があり、限られた職員では、避難所運営を行うことが難しい可能性があります。

◇命をつなぐ「自助」「共助」
だからこそ、今こそ考えたいのが、「自助」と「共助」です。
まずは、いつ起こるかわからない災害に備え、自分の命は自分で守る「自助」が大切です。平時のうちに非常用持出袋の準備、家族との連絡手段の確認、避難ルートの確認などをしておくことが大切です。

◇地域コミュニティが救った命
次に、「共助」です。
石川県珠洲市三崎町寺家下出地区では、約40世帯90人が暮らしていました。地震発生から約25分後に津波が到達しましたが、隣近所が声を掛け合い、高台に避難し、全住民の命が助かりました。
また、能登町鵜川地区では、住民同士が迅速に安否確認を行い、がれきの中から助け出すことができ、地区の住民全員が助かるという結果を生みました。
両地区とも共通して背景にあったのは、普段からの住民同士の交流や避難訓練がありました。

◇みんなで支え合う場所
避難所生活では、みんなで声をかけ合ったり、情報を共有することが全体の安心・安全につながります。
災害時の避難所は、誰かが守ってくれる場所ではなく、「みんなで守り、みんなで支え合う場所」です。
自助・共助・公助の連携が被害の拡大を防止し、一日も早い復旧・復興に不可欠です。

防災備蓄品は、一時的に生活を維持できるようにするための非常用ストックです。防災備蓄品だけで避難者全員が数日間生活できる量があるわけではありませんので、各家庭でも備蓄品の備えをお願いします。

〈避難所の防災備蓄品(御牧小学校の一例)〉
水(500ミリリットル)…840本
非常食…320食
テント…40張り
簡易ベッド…85個
毛布…130枚
体ふきシート…1800セット
ブルーシート…33枚
アルミマット…15枚
ヘルメット…30個
消毒液…24本
簡易トイレ…2基