くらし 福祉に関するお困りごと、わたしたちにお聞かせください(1)

■地域の身近な相談役 地域福祉コーディネーター
お困りごとの相談や支援が必要な人への見守り体制を築くために、地域のアンテナ役・パイプ役(つなぎ役)として、各種団体や専門職、ボランティアと連携して、地域福祉活動の推進を図ります。

大隅西地域 地域福祉コーディネーター
堀田加栄(ほりたかえ)さん

豊里地域 地域福祉コーディネーター
長野秀子(ながのひでこ)さん

▽普段の活動内容を教えてください
長野さん
地域福祉コーディネーターは、社協(社会福祉協議会)の職員として活動する、“地域の身近な相談窓口”です。東淀川区では、17地域の会館を拠点に相談に応じています。ご相談の中で多いのが、介護保険の申請に関することです。私自身も両親、義両親の介護を経験しており、その経験から、「今度は皆さんが安心していただけるように、福祉活動を頑張っていきたい」と思うようになりました。皆さんの困りごとをお聞きし、必要に応じて適切な専門機関につなぎます。

堀田さん
私は、以前は連合子ども会役員として活動しており、高齢者の方々との接点は少なかったため、現職に就いてからはまずは地道な自宅訪問や各所への名刺・チラシの配布で存在の周知に努めました。今では地域の高齢者の方からも気軽に声をかけていただけるように。「専門機関には相談しにくいけど堀田になら気軽に話せる」、そんな存在をめざしています。

▽どんな相談をされることが多いですか?
長野さん
ちょっとした相談や愚痴から、深刻な悩みまで十人十色です。「介護施設に入りたい」などの具体的な相談には、地域包括支援センターの専門職などにつなぎます。とある集まりの方々に認知症支援チームを紹介した際は、「楽しく認知症予防ができている」と感謝いただきました。また、過去に何度か支援した女性が終末期のホスピスから連絡をくれた際は、最期まで覚えていてくださったことが嬉しかったです。どんな方にも寄り添える存在でありたいです。

堀田さん
家族や友人に話せない悩みもあると思います。そんな時は守秘義務をもった我々に相談ください。いきなり話しづらいという方は、何度もお越しいただいて大丈夫です。実際に、何度か話すうちに、家族の認知症やご本人の介護疲れの悩みを打ちあけてくださった方がおられ、介護者(家族)の会を紹介したこともあります。些細なことでも結構ですので、気軽にご相談ください。
(写真)大隅西地域/百歳体操

▽区民の皆さんにメッセージをお願いします
長野さん
豊里地域では住民からの切望で、地区内2か所目のふれあい喫茶「オアシス」を立ち上げ、より多くの方が利用できるようになりました。まだまだ必要なサービスにつながっていない方が多いと感じますが、まずは目の前でお困りの方を支援すべく、コツコツ活動しています。町会や地域の委員の方々のネットワークを今後さらに活かしながら、活動についてのさらなる周知も続けていきたいです。

堀田さん
各地域では、百歳体操、ふれあい喫茶、子育てサロンなどさまざまな取り組みをしています。高齢者食事サービスでは、足の悪い方にお弁当を届けることもあり、そこから地域交流が生まれることも。地域の催しにもなるべく顔を出して、潜在的に困っている方がいないか、何気ない会話から地域の現状を把握するように努めています。高齢者の方はもちろん、幅広い世代の窓口としてサポートできればと思います。

◆地域の協力者さんの声をご紹介します
▽豊里地域 中村邦子(なかむらくにこ)さん
長野さんが立ち上げに尽力された、ふれあい喫茶「オアシス」の自称・看板娘です(笑)。献立を考案したり、その日のメニューを季節のイラストと合わせて黒板に書いたり、楽しく活動しています。また平日朝の見守り活動では、登校・通勤中の地域の方々と交流でき、私自身の生活のハリにもなっています。地域みんなで支え合っていけたらと思います。

▽豊里地域 中井一枝(なかいかずえ)さん
食事サービスやふれあい喫茶のスタッフとして活動しています。私自身は町会役員として情報共有できることを、長野さんの活動に役立ててもらっています。地域の方々がお困りの際に見捨てるわけにはいきません。孤立や認知症予備軍など、気になる方がいれば長野さんに相談し、おつなぎすることも。これから高齢者が増えるにつれて、コーディネーターの存在も大きくなっていくと思います。活動内容も人柄も素晴らしいので、頼りにしています。