くらし 種から咲かそう地域の花 活動15年 北区種花の会
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大阪市北区
- 広報紙名 : わがまち北区 令和7年4月号
■6年生900人にサクラソウ贈る
学校や地域の花壇に咲く季節の花々。それらが種から一つひとつ、大切に育てられていることをご存じですか。
育てているのはボランティア団体「北区種花(たねはな)の会」。会員約40人が交代で、扇町公園の「花づくり広場」で毎朝、活動しています。季節ごとに5、6種類の花を種から育てて区内の学校や施設、地域の花壇など約60か所に出荷。それらは地域の人たちの手で植えられ、街を彩ります。会の発足は2010年の春。当初からのメンバーである浦田陽子さんは「苗は毎日大きくなるわけじゃないけど、ふと気が付くと花が咲いてたりして」と育てる喜びを語り、「みんなが植えてくれはると思うと、もっと大きくして渡したい、という気になります」
◇年4回、計2万株を出荷
種から花を育てるのは気長な作業です。トレイに種をまき、双葉が出ると1本ずつピンセットで抜いてセルに。本葉が出たらポットに移し、根が増えたら大きなポットに植え替えます。同会では年に4回、各5,000株の花苗を出荷しており、一連の作業が年に2万回繰り返されます。出荷先の花壇を見守るのも、活動の一つです。
コロナ禍の中、北区に越してきた小北ミアキさんは、屋外に出る機会を持とうと裏庭で野菜作りを試みるも失敗。広報紙で北区種花の会を知り、2年前に入会しました。入ってみてレベルの高さにびっくり。「ピンセットの作業なんて肩も凝るのにみんな黙々とやってはるし、チームワークがすごい。私は週1回しか行けないけど、いつ行っても誰かがいてくれるのもうれしくて」と話します。
◇厳しい寒さでピンチも
2月末、花づくり広場を訪ねると、サクラソウを大きなポットに植え替える作業が進められていました。区内の小学校の卒業式でサクラソウを贈る、恒例のプロジェクトが大詰め。プロジェクトを企画した福本久美子さんにとって、自身の卒業式の記憶が原点です。「壇上がピンク一色に染まり、卒業証書と一緒に1株の花苗を手渡されました。生き物を任された感動がありました」
ただ、寒さが厳しかった今冬は、ピンチが続きました。ビニールハウスに入れてもポットの土の表面が凍り、成長も例年よりゆっくり。小山直子さんは、天気の良い日はサクラソウをハウスから出して太陽に当てようと、午後も頻繁に広場に足を運びました。今年の卒業生は約900人ですが、育てた苗は約2,000株。「少しでも良い花を選んで渡したいですから」と小山さん。「花好きの子が何人かでも増えてくれれば」「種をまかないと花好きも育たないからね」――作業の合間に話が弾みます。
北区種花の会では、会員を募集しています。見学もできます。問合せは北区役所地域課へ。
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問合せ:北区役所地域課
【電話】06-6313-9951