- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府堺市
- 広報紙名 : 広報さかい 2025年2月号
堺市内の外国人住民(※)人口は増加しており、約2万人で、人口全体の約2.4%(昨年11月末時点)を占めています。本格的な人口減少が進む中で、さまざまな交流を通じた外国にルーツを持つ市民との「つながり」や「支え合い」は地域社会の活性化にもつながります。
今回は地域で活動する日本語教室とブラジルにルーツを持つ方が立ち上げたこども食堂の取組を紹介します。
(※)住民基本台帳に登録されている外国籍の住民
・自分の国の言葉で相談したい!
・日本語を学びたい!
・ルーツや言語の壁を越えて、さまざまな人と交流したい!
■ポムさかいや地域での活動
◇ふれあい日本語サロン
場所:
・月曜日…ポムさかい
・土曜日…堺市総合福祉会館
時間:
・月曜日…14~16時
・土曜日…13~14時30分
料金:1回100円
《ボランティア 田中宏さん》
堺市多文化交流協会代表。アジア諸国で仕事をしていた際に、お世話になった現地の方に何か返せることがないかと考え、帰国後に支援活動をスタート。
ふれあい日本語サロンでは年齢もルーツも職業もさまざまな方が日本語を学んでいます。「日常会話を習いたい」「資格を取るために勉強したい」「ビジネス日本語を身に着けたい」と理由もそれぞれ。希望に合わせて、ボランティアがマンツーマンでサポートしています。サポートは全て日本語で行うので、外国語が話せない方も、ぜひ気軽にチャレンジしてみてください。皆さんはとても勤勉で、またここでの学びを生かして夢や目標をかなえ、堺で活躍したり、母国に戻って堺の魅力を伝えてくれたりすることが、私たちの活動を続ける活力になります。
今後は堺の歴史・文化施設や観光スポットを巡るガイドツアーなど、堺を楽しみながら生活にも役立つ活動を、一緒に活動する仲間と考え、実践していきたいです。
《学習者 孫雲霞さん》
韓国で看護師として働いていましたが、日本でより高度な医療に携わりたいと思い来日しました。現在はふれあい日本語サロンで患者さんとのコミュニケーションに必要な日常会話を学び、看護師国家試験に向けて勉強中です。普段、日本語を使う機会が少ないのですが、ここでボランティアの方や学びに来ている皆さんと気軽に会話しながら、生きた日本語を学んでいます。また、同じように目標を持って勉強している方の姿を見ると、モチベーションも上がります。
堺はこどもから高齢の方までが暮らしやすく便利でありながら、自然や歴史を感じるスポットも多いすてきな街です。来日して初めて見た大仙公園の紅葉にはとても感動しました。今後も看護の仕事で社会に貢献しながら、長く堺で暮らしたいです。
◇ボランティアとして活動したい方へ
地域の日本語教室でボランティア活動をしてみませんか。外国語が話せなくても問題ありません。また、市が主催するボランティア研修も毎年春に実施しています。ぜひお問い合わせください。
◇日本語を学びたい方がいたら
ボランティアによる日本語教室が市内にはたくさんあります。周囲に日本語を学びたい方がいたら、ぜひ案内してください。
■PROJETO CONSTRUIR ARTEL(プロジェクト コンストルイル アルテル)
場所:堺区石津町1丁9-23
時間:こども食堂…土曜日12~13時30分
料金:こども食堂…大人300円、こども100円
※事前予約制
《代表 田中ルジアみやさん》
ブラジルにルーツを持つこどもたちに、日本語とポルトガル語の習得支援や、母国の文化にふれる機会を提供する「PROJETO CONSTRUIR ARTEL」を設立。こども食堂を平成20年からスタート。
ここではこども食堂の他、ブラジルにルーツを持つこどもたちのために継承語であるポルトガル語教室や日本語学習教室なども行っています。こども食堂には主にブラジルにルーツを持つこどもたちやその保護者が来ていますが、私たちの活動に関心を持ってくれた日本人の方も遊びに来てくれます。南蛮貿易によって栄えた堺の歴史には、こどもたちが自分のルーツを重ねられる点も多く、さかい利晶の杜や堺伝匠館などに連れて行ったことも。週末の活動がメインですが、今後は平日の放課後にも学習支援の機会を広げたいと考えています。
こどもたちが自分の持つ力を発揮できる環境で、安心して暮らすためには、保護者と学校、そして両者の行き届かない部分を補う私たちの活動とが、しっかりと連携してこどもをサポートすることが不可欠です。ここで育ったこどもたちが別の国にルーツを持つ友達を連れてきたり、大きくなって活動に参加してくれたりする様子を見ると、うれしく思うのと同時に、この活動を次世代につなぐことや、国籍に関係なく広げていく使命も感じています。
〈活動内容一例〉
・ポルトガル語教室
・市内イベントでのブラジル料理や手作り品の販売
・学習支援
・ブラジルのお祭り「フェスタジュニーナ祭」、キャンプ、ブラジル料理教室などの各種イベント
■多文化で人がつながる場所
ポムさかい(多文化交流プラザ・さかい)は、堺市の国際交流や多文化共生を推進するための拠点施設です。主に外国にルーツを持つ市民と日本人市民の交流を深め、さまざまな事業やサービスを提供しています。
〈事業内容一例〉
・多言語での生活相談、専門家相談、ボランティア通訳の派遣
・生活や防災の多言語ハンドブックの作成
・日本語教室の開催、地域日本語教室の教室運営支援
・多文化共生推進セミナーの実施など
◇ポムさかい(多文化交流プラザ・さかい)
場所:堺区南瓦町2-1
時間:月~金・日曜日9~17時30分(祝休日を除く)
【電話】340-1090
【FAX】340-1091
《参加してみよう!》
ポムさかいでは、普通の日本語より簡単で分かりやすい「やさしい日本語」を学ぶセミナーや、外国にルーツを持つこどもの支援について考えるセミナーを実施しています。
・外国にルーツを持つこどもの支援セミナー→広報紙P.14に掲載
・やさしい日本語セミナー→広報紙P.21に掲載
問合せ:ポムさかい
【電話】340-1090
【FAX】340-1091