くらし 特集 高槻な対談(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府高槻市
- 広報紙名 : 広報たかつき(たかつきDAYS) 令和7年4月号 No.1445
■[関西将棋会館]移転記念 高槻な対談 TAKATSUKI NA TAIDAN
令和6年12月、JR高槻駅前に[関西将棋会館]が移転オープンし、ますます将棋熱が高まる高槻。開館を記念して、日本将棋連盟会長の羽生善治九段と濱田剛史高槻市長による対談が実現しました。
※この対談は令和6年12月に行われました
○羽生善治 日本将棋連盟会長・永世七冠
昭和45年埼玉県生まれ。中学生で棋士となり、平成8年に将棋界初の全7タイトル独占を達成。平成29年に永世竜王の資格を得て初の永世七冠。平成30年に国民栄誉賞。令和5年日本将棋連盟会長に就任。
「今回、将棋ファンってこんなにも多いのかと気付かされました。」
○濱田剛史 高槻市長
昭和39年大阪府生まれ。平成5年に司法試験に合格。大阪地検・東京地検などの検事を経て弁護士に。平成23年5月から現職。趣味は登山、ギター、将棋など。将棋はアマチュア初段。
「高槻に[関西将棋会館]ができて、すごいですねと言われます。」
◆高槻に[関西将棋会館]ができて。
濱田:羽生会長、今日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございます。
羽生:こちらこそありがとうございます。[関西将棋会館]が高槻で開館して、もう対局を結構やっていたり、JRさんが高槻駅の出入口を「将棋会館口」と名づけてくれたり、盛り上がっていますね。関東所属の棋士たちも開館を喜んでいて、どんなところなのか初めて行くのを楽しみにしています。
濱田:会長は、高槻のことは以前からご存じだったのでしょうか?
羽生:もちろん知ってました。対局やイベントで関西方面に行くと、京都から電車に乗って大阪に向かう時、次は高槻というイメージがあります。
濱田:知っていただいていて、ありがとうございます。その高槻が[関西将棋会館]の移転先候補として名乗り出たという話を聞かれた時、最初はどのようなお気持ちでしたか?
羽生:そうですね、自治体から会館を建てませんか?という提案をいただくのは、おそらく将棋界にとっても初めてのケースだったと思います。基本的には新しい会館を建てる時は、日本将棋連盟で場所を探して、いろいろやり取りがあって移ってきたという歴史があるので、そういうお話をいただけたのはすごくありがたいなと思いました。
◆多くの将棋ファンがいることを実感。
濱田:初めてのことであれば、日本将棋連盟内での調整も難しかったのではありませんか?
羽生:いえ、非常に皆さん前向きというか、好意的な感じだったので、すごくとんとん拍子に話が進みました。過去の会館の移転の時も、みんなで盛り上げて新しい会館を建てようっていう気持ちが強かったという話を大先輩の方たちから聞いています。構想やプランも大事ですが、人の気持ちというか熱気、やる気がある時に、やりきらないとできないことがあると思います。今回もこのお話をいただいて、それだったら当初の構想を少し変えてでも進めるのがいいのかなと。
濱田:物事には、勢いを大事にしないとタイミングを逃してしまうことも確かにあります。
羽生:あと、会館の建設に携わって気が付いたことですけど、将棋界に対して、本当に一般のファンの方ですごく応援しようと思ってくれている方たちがこんなに多いのかと実感をしたんですね。例えば、会館建設が予定されているとニュースが報道されるじゃないですか。そうすると、別に日本将棋連盟から頼んだわけではないんですけど(笑)、ファンの方がこれを参考にしてくださいって、いろいろ分析した資料などを作ってくれて。将棋界を盛り立てて、次の世代につなげていこうと思ってくださる人たちが多いことを実感した、うれしい時でもありました。
濱田:私も[関西将棋会館]に関わるようになって改めて感じるのは、こんなにも将棋ファンが多かったのだなということです。市長会などの仕事で東京に行っても、本当に多くの方から「高槻って関西将棋会館が来るんですよね?すごいですね」と声をかけられたり。高槻の知名度がものすごく上がっていることを実感します。