くらし 【クローズアップ2】災害に強い水道の実現へ 10/1から水道料金を改定(1)

南海トラフ地震などの大規模災害に備え、水道管の耐震化を進めるため、水道料金を改定します。改定の時期や負担増を抑える激変緩和措置など、詳しくお知らせします。


※使用水量に応じた世帯人数はイメージであり、使用実態によって変動します

■どうして値上げが必要?
市民の皆さんの水道料金で運営している水道事業。災害に強い水道の実現に向けた水道管などの耐震化も、水道料金で賄う必要があります。

◆古い水道管を地震に強い耐震管へ
水道管は地中にはりめぐらされていて、地震などの災害が起きると、水道管が壊れて蛇口から水が出なくなることがあります。令和6年1月の能登半島地震では、広範囲・長期間にわたる断水被害が発生しました。また、地震以外でも老朽化した水道管が破損する事故が全国的に増加しています。市ではその対策として、古い水道管を地震に強い「耐震管」に取り替える工事を進めていて、多くの資金が必要です。

◆災害時に影響が大きい管を優先
大規模災害が発生しても断水しないように、耐震化を計画的に進める必要があります。中でも、下記の基幹管路や重要給水施設管路は、断水した場合に被害の規模が大きいため、これらの耐震化を優先して行っています。

▽基幹管路
水道の主要な供給ルートを担う管路。被害を受けると断水の影響が広範囲になってしまう

耐震適合率の比較(令和5年度実績)

府・全国平均より進んでいます

・耐震適合率(令和5年度)…55.7%
全長73.4km
令和17年度の目標…80%

▽重要給水施設管路
避難所や拠点病院※、救護所などに至る管路。避難生活や救命活動に大きな影響を与える
※災害時に医療活動を担う施設として位置付けられている病院

・耐震適合率(令和5年度)…62.8%
全長114.6km
令和17年度の目標…90%

◆耐震管の仕組み
水道管はいくつもの管を継ぎ手でつないでいます。地震による断水の多くは、この継ぎ手で管と管が外れて漏水することで発生します。耐震管は、強い揺れが発生しても継ぎ目が外れないように、継ぎ手部分に余裕を持たせて伸縮できる構造になっています。

・耐震の水道管…地盤の動きに合わせて管が動くので抜けにくい
・非耐震の水道管…大きな力がかかると抜けやすく漏水してしまう
※詳しくは本紙をご覧ください。