くらし 市長コラム

■いつまでも自分らしく安心して暮らすために
我が国では高齢化の進展とともに、認知症と診断される人も増加しています。65歳以上の高齢者を対象にした国立大学法人九州大学による「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」によると、令和4年の認知症と軽度認知障害の人を合わせた人数は約1千万人(高齢者人口の約28%)と推計され、3人に1人が認知機能にかかわる症状があることになります。
さらに最近では、一人暮らしの高齢者も増えています。令和2年の国勢調査では、本市の高齢単身世帯は4444世帯で、一般世帯に占める割合は、13・4%となっています。家族がそばにいない中で認知症の症状が進むと、お金の管理やサービス利用の契約ができなくなったり、詐欺被害にあうリスクが高まったりする可能性があります。
これまでも、認知症や障害などにより、ひとりで決めることが心配な方の手続きや財産管理などを法的に保護し支援する「成年後見制度」がありましたが、制度利用には、手間や時間のかかる手続きが必要であり、さらには制度を利用し始めるとやめることが出来ないなど、使いにくいと言った意見も多く、利用は広がっていません。
こうした中、本市では、個人の状況に応じて成年後見制度が有効に活用されるよう専門的な相談窓口として、「権利擁護サポートセンターかいづか」を10月に設置しました。サポートセンターでは、申立て支援のほか、関係機関と連携して支援方針を検討するなど、地域全体で支える体制づくりをすすめています。
成年後見制度は、将来の安心を支える大切なしくみです。「まだ元気だから大丈夫」ではなく、「困ったときに相談できる場所がある」と知っておくことが大切です。サポートセンターは、誰もが住み慣れた地域で、自分らしく生活を続けるための権利を守る相談窓口です。どうぞお気軽にご相談ください。

◎認知症及び軽度認知障害の高齢者数の将来推計

資料:「認知症及び軽度認知障害の有病率調査並びに将来推計に関する研究」(国立大学法人九州大学)

問合せ先:高齢介護課
【電話】072-433-7043