- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府河内長野市
- 広報紙名 : 広報かわちながの 令和7年10月号
■公共交通と“共存共栄”を図るために
金剛バスの廃業は記憶に新しいところですが、全国的に路線バスの運転士不足が深刻化し、路線バスはもはや「当たり前の存在」では無くなりつつあります。
南海バスの10月1日からの見直しでは、減便や区間廃止がされますが、市の申し入れにより「バス停の廃止は回避」されます。公共交通は、みなさんに積極的にご利用いただくことで交通網を維持できます。
新たな利用促進策として「バス乗り放題!無料デー」を行いますので、長らくバスに乗っていない車派の人もぜひこの機会にご利用ください。
●全国的に公共交通は厳しい現状
少子高齢化や自家用車の普及により、バスの利用者数はピーク時の1960年代と比べ、約4割にまで落ち込んでいます。
また、全国的に運転士の高齢化が進み、路線バス運転士の確保が非常に厳しい状況です。日本バス協会発表によれば、2017年に13万3000人だったバス運転士の数は、2030年には9万3000人にまで減少する見込みです。一方で、路線の維持に必要な運転士の数は12万9000人とされ、このままでは約3万6000人もの運転士が不足する状況です。
●市の公共交通でも運転士不足が深刻化
市内でも、コロナ禍による利用者減少の影響は大きく、2022年4月には小深線・石見川系統を廃止せざるを得ない状況となりました。しかし燃料費高騰などの悪条件が重なる中でも、南海バスは地域の公共交通を担う責任から、様々な経営努力を重ね、赤字路線を維持してきました。
この間、市においても補助金による直接支援や積極的に国費を活用するなど、市内路線網を守るためバス事業の収支改善に努めてきました。しかしながら今回の見直しの最大要因である運転士不足が深刻化する中で、現状路線を維持することは限界となっています。
●市内のバス停は1か所も廃止しない
将来にわたり持続的に公共交通を維持していくには、需要に応じた減便や路線の見直しが避けられない状況です。
このため市は、南海バスの見直しに際して「市内のバス停は1か所も廃止しない」ことを求め、引き続き維持されることになりました。また市として、路線が無くなるバス停にはコミュニティバスを延伸し、可能な限り、市内のネットワーク維持に努めます。
見直しの概要と市の対応は、以下のとおりで、新たな利用促進の取り組みもスタートします(詳細は4ページ)。
●10月1日からのバス路線見直しに対する市の対応
(1)コミュニティバスでカバー
路線が無くなるバス停はコミュニティバスでカバーします。
木戸東町系統・河内長野庁舎線→モックルコミュニティバス

高向線(廃止)→日野・滝畑コミュニティバス
高向線(河内長野駅前~高向)は、同区間を走る日野・滝畑コミュニティバスでカバーします。
(2)モックルコミュニティバスの役割強化
新たに河内長野駅に乗り入れることで、主要4駅で乗降が可能になります。

(3)見直し後の影響を調査
今回の見直しは避けて通れない状況ですが影響の大きさを鑑み、影響調査を実施し、より良いネットワークの検討を続けます。
※新しい路線図・時刻表など詳細は、本紙に折り込みのパンフレットまたは、市ホームページをご覧ください。
●新たに「バス乗り放題!無料デー」を導入
市ではこれまで高齢者に向けたおでかけチケットの配布や、市内バス1日乗車券の割引販売など、公共交通の利用を促進する取り組みを行ってきました。
そして、新たに10月から来年3月までの6か月間(試行実施)、毎月第1・3土曜日を「バス乗り放題!無料デー」(下記参照)とし、より一層の利用促進を図ります。ぜひご利用ください。
●公共交通の新しいベストミックスを目指す
金剛バスのように公共交通事業者の撤退は避けなければなりません。そのため、この度の路線見直し後の利用実態についてもアンケートを実施し、今後の取り組みに反映していきます。市民のみなさんのご理解とともに、公共交通を積極的にご利用いただくことが、持続的な公共交通網の維持につながりますので、利用促進の取り組みへのご協力をお願いします。
将来的に持続可能な移動手段を確保するためには、バスなどの公共交通機関の維持に努めながら、地域による移動支援を強化し、補完し合うことも必要となるでしょう。地域住民による相乗りやライドシェアなどの新たな手法の導入を検討するなど、〝誰でもいつでも〞利用できる公共交通の「ベストミックス」を目指します。
●同時開催 重ね捺しスタンプラリー
スタンプを集めてポストカードを完成させよう!
どんな絵ができるかお楽しみに!
期間:令和7年10月1日~令和8年3月31日
●DO!DO!土1・3(ド!ド!ドいち・さん)バス乗りホ~! 河内長野市内バス無料デー
実施日:令和7年10月~令和8年3月の第1・第3土曜日
(10/4・18、11/1・15、12/6・20、1/3・17、2/7・21、3/7・21)
対象区間:市内を運行する南海バス、コミュニティバス
ご注意:乗降地の確認のため、必ず整理券をお取りください
※整理券がない場合は市内乗車・市内降車でも無料にはなりません
対象外:以下の3路線は「市内乗車・市内降車」の場合のみ無料です。()内の市外バス停で乗車または降車する場合は、無料の適用はありません。ご注意ください。
(1)小深線(千早大橋、金剛登山口(千早本道口)、鱒釣場、金剛山(伏見峠口))
(2)小吹台団地線(小吹台口、小吹台西口、小吹台)
(3)こんごう福祉センター線(府立こんごう福祉センター前、府立こんごう福祉センターかんなびのさと前)
期間中は、協力店舗による割引など特典もあります
問合せ:まちづくり推進課
