- 発行日 :
- 自治体名 : 大阪府大東市
- 広報紙名 : 広報「だいとう」 2025年8月号
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■ともに学び、ともに育つ~発達障害への理解~
『発達障害』という言葉を知っていますか。発達障害といっても、「読む・書く・聞く・話す・計算する」などの学習面や、他者との関係づくりの面など、困り事にもさまざまな特徴があります。これらは脳の働きの違いによるもので、決して「本人の努力」や「親のしつけ」の問題ではありません。
1つ例をあげると、LDがあります。LDとは学習能力障害(ラーニングディサビリティーズ)の略です。全般的知能は正常範囲に入るのに、個々の能力にばらつきが大きく、教科学習の基礎となる学習能力に問題があり、中枢神経に何らかの障害があると疑われる状態のことです。学校などでの集団生活が始まると、さまざまな問題や困難から、学校へ行くことがストレスとなり、不登校などの二次障害につながることもあります。
■適切な支援で伸びる力
一方で、一人ひとりの子どもに応じた適切な理解や支援があれば、その困難を取り除くことができるだけでなく、優れた能力が発揮される場合もあります。成長過程において、適切な療育を受けることで、社会に適応し自立できるように成長していく人もいます。
例えば、文章を読むときに、定規状のリーディングトラッカーという道具をあて、読む箇所を分かりやすくしたり、その日の予定を見て分かるように掲示したり、少しの工夫で困難を減らすことができます。最近では、タブレット端末、ICT機器を利用することで、学びやすくなる場合もあります。
■学びやすい環境づくり
市立小・中学校では教員のほか、介助員、支援教育支援員、関係機関と連携しながら、子どもが安心して学び、過ごせるようユニバーサルデザインの観点での授業づくりに取り組んでいます。例えば、教室の前側に掲示物は極力貼らないようにしています。掲示物がたくさんあることで、授業に集中しにくさを感じる子どもがいるからです。また、プリントや板書内容を写真に撮り、一人1台端末を利用した情報共有ツールで、いつでも授業内容を確認できるようにするなど、さまざまな環境の整備に取り組んでいます。
障害のある・なしに関係なく全ての子どもが「ともに学び、ともに育つ」環境の中で、互いを理解し思いやることができれば、違いを認め合う温かい社会に一歩近づくのではないでしょうか。