くらし 園芸はじめの1歩! 3年かけて理想の庭づくりへ

写真・文:富山 昌克
今年度はお庭の後景部分を彩る花を季節ごとに紹介します。手軽に入手できて、誰でも簡単に咲かせられる超スタンダードな園芸植物の栽培法をマスターしましょう。

■“トミー”こと富山先生をご紹介!
富山昌克(とみやままさかつ)さん
藤井寺市在住の園芸研究家。昭和63年よりテレビやラジオなどに出演。熟年大学や専門学校でも講師を勤め、市緑化推進協議会会長・景観審議会・教育委員会などでも委員を兼任。著書多数。植物バイオテクノロジーの研究者兼実務者。

【お庭づくりの極意】
狭小な庭やベランダでも栽培できる、つる性植物には優れた点があります。すき間を狙って枝を伸ばし、花を咲かせていくので、少しの地面があれば、家の壁面やフェンスに這わせて広がりある花の空間をつくることができます。

No.9 つるバラ
つるバラを育てる楽しみは、冬に剪定し、枝を誘引しながら、咲いてほしい形につくりあげるところにあります。年々、自分が欲しい風景を作ることができるのが、つるバラの醍醐味です。壁面仕立て、ドーム仕立て、アーチ仕立て、樹木に絡ませるなど、いろいろな仕立て方があります。

開花期間:5月~6月
水やり:
鉢植え…土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水やり
庭植え…土の表面が乾いたら水やり
置き場:日当たりと風通しのよいところ

■おすすめの苗
つるバラは「長尺苗」と「鉢苗」と「新苗」の3種類の状態で販売されています。新苗は壁面一面に花を咲かせるには時間を要します。初心者には「鉢苗」、「長尺苗」がおすすめ。

■手順
(1)直径30cmの鉢の底に鉢底石を敷き、バラ専用培養土を入れる。根鉢(根と土の塊)を崩さないようにコンテナの中心に設置する
(2)培養土を隙間に入れ、浸透移行性殺虫剤を散布し、バラ専用の肥料を施す
(3)接ぎ木テープを外し、枝を束ねていた紐も外す
(4)枝をできるかぎり水平になるように麻ひもで留める

■植え付け適期
「長尺苗」と「新苗」の植え付け適期は販売が始まる4月~5月下旬。「鉢苗」は、年中植え付けが可能です。

■お庭づくりのポイント
季節の草花の花鉢をスタンドなどで高低をつけて設置し、その背後につる性植物を植え込むと、さらに立体的に空間を利用したガーデニングができます。特につるバラは枝数と花の咲く量が比例するので、枝を折らないように支柱やフェンスに結わえて固定するのがポイント。

■次回は7月号予定 つる性最強の花 ノウゼンカズラ
市公式YouTubeチャンネルでは、バジルの栽培方法の動画を公開中!ぜひご覧ください!