- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県豊岡市
- 広報紙名 : 広報とよおか 2024年12月号
今年度改訂された小学4年生社会科の教科書に、本市出身で、地域の子どもたちの「いのち」を輝かせる教育をめざした教育者・東井義雄(とういよしお)が取り上げられています。
この教科書は、但馬各市町はもちろん、全国各地の市町教育委員会で指定教科書に採択され、授業で教材使用されています。地元・豊岡をはじめ全国各地で学ぶ子どもたちが、東井義雄を広く知るきっかけとなることを望みます。
◆偉大な功績の先人の一人に
教科書には、地域の伝統や文化、先人らのはたらきを学ぶ教材として、江戸時代後期の農村復興に寄与した二宮金次郎(尊徳)など、全国各地で偉大な功績のあった先人らが登場します。その中で「村を育てる教育につくす」を題材に、若い人が村を離れていく現状に不安を抱き、村をよくするために子どもや村人、先生の生きる力(根)を育てようとした、東井義雄の教えが紹介されています。
◆あらゆる子どもたちにとって必要な「幸せを築く力」を
東井義雄は、但東町佐々木出身の教育者です。東井は戦後、小学校の教師として勤務する間、単なる知識の伝授だけではなく、地域の子どもたち自身の「いのち」を輝かせる教育を目指しました。全ての物事は「ひとごと」でなく「自分ごと」として捉えることで個々の意識が変わり、能動的な学習姿勢がまずは自分の周りから、やがては地域全体を愛することにつながる「村を育てる学力」になると唱え、この学力こそ、あらゆる子どもたちにとって必要な「しあわせを築く力」であると論じました。
◆東井義雄の人生そのものから生まれた「いのちのことば」
◇生きていることのただごとでなさ
東井義雄は、敬愛する父の死や愛児の大病に遭遇し、「いのち」のただごとでなさに気付きます。何でもない当たり前のことに思われていた、その当たり前のことの中に、ただごとでない幸せがあったのだと思い知らされます。
その他たくさんの「いのちのことば」を残しています。
・『一番はもちろん尊い しかし 一番よりも尊いビリだってある』
・『どの子も子どもは星』
・『根を養えば樹はおのずから育つ』
・『ほんものはつづく、つづけるとほんものになる』 など
◆東井義雄の生涯をたどる「東井義雄記念館」
但東町に「東井義雄記念館」があります。記念館では、東井が残した多くの著書を保管しています。彼の教育思想や理念、実践について、学ぶことができます。
開館時間などの詳細は、右の二次元コードから東井義雄記念館のホームページを確認してください。
※二次元コードは本紙をご覧ください。
問合せ:東井義雄記念館
【電話】54-1000