健康 特集:ずっと元気で暮らしたい 糖尿病を知ろう

※この記事に関連したSDGs項目は3番です。

■あなたの生活習慣や現状を確認してみましょう。もしかしたら糖尿病の予備群かもしれません。
・スポーツドリンクや炭酸飲料をよく飲む
・間食が多い
・40歳以上である
・つい夜更かしをしてしまう
・肥満気味である(BMIが25以上)
※BMIとは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で算出される体格指数。
・主食を重ねて食べることが多い
・野菜をあまり食べない
・お酒をよく飲む
・たばこを吸っている
・朝ごはんを食べない
・階段よりエレベーター・エスカレーターを使うことが多い
・座って過ごす時間が長い
・妊娠糖尿病になったことがある
・親・きょうだいが糖尿病である

■加古川市では約80%の人が糖尿病のリスクを抱えています
市内では、国民健康保険加入者で健康診断を受けた人の約8割が糖尿病のリスクがある有所見者と判定されました(令和5年度)。国、県を大きく上回る数値です。

◇加古川市HbA1c値の状況(令和5年度)
・5.5%以下(正常)23%
・5.6~6.4%(糖尿病予備群)65%
・6.5%以上(糖尿病の疑いあり)12%
出典:市国民健康保険第3期データヘルス計画

◇HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
過去1~2カ月の血糖値を反映した値

HbA1c値有所見者割合 県・国との比較
・加古川市 77.0%
・県 59.6%
・国 58.1%

■そもそも糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は初期段階では自覚症状がないことが多く、血糖値が高いまま長期間放置すると血管が炎症を起こし、さまざまな合併症を引き起こします。

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。ブドウ糖は私たちの活動に欠かせないエネルギー源で、食事をすると腸から吸収されます。インスリンはすい臓から出るホルモンで、血液中のブドウ糖を細胞に取り込みます。インスリンの作用が低下する原因は主に2つあります。1つ目は遺伝的な体質や加齢でインスリンの分泌自体が減ってしまうことで、2つ目は食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスにより、インスリンの働きが悪くなってしまうことです。

◇主な合併症
太い血管が傷ついて起こる
・脳梗塞
・狭心症
・心筋梗塞
・下肢閉塞性動脈硬化症

毛細血管が傷ついて起こる
・神経障害

手足のしびれや感覚が鈍るなどの症状が現れ、進行すると患部が腐敗し切断の恐れも。
・網膜症

毛細血管が集まる網膜が傷つき、悪化すると出血や失明することもある。
・腎症

腎臓のろ過機能が低下し体に老廃物が蓄積するため、悪化すると腎不全になり人工透析が必要になることも。

■糖尿病QandA
糖尿病の気になるポイントを専門家に聞きました。
中村友昭医師
加古川中央市民病院 糖尿病・内分泌内科 主任科部長(兼)栄養管理室室長

◇糖尿病に初期症状はある?
初期は症状を感じづらい
血糖値がかなり高くなると、のどが渇く、疲れやすい、体重が減るなどの症状が出てきますが、最も多いタイプの糖尿病では、多くの人が症状を感じないまま初期の糖尿病と診断されます。健康診断などで定期的に血糖値を調べることが大切です。

◇血糖値が高いのですが、放置するとどうなる?
合併症のリスクが高まる
糖尿病では神経・眼(網膜)・腎臓が障害されやすく、脳梗塞、狭心症・心筋梗塞などの発症リスクが高くなります。自覚症状が無いからといって放置すると、合併症は着実に発症、進行していきます。高血糖と気付いたら早めに生活習慣の改善や治療を開始することで、合併症を予防できます。

◇糖尿病は治りますか?
完治はしないが改善は可能
糖尿病は一度発症すると、多くの場合、完治はしません。しかし血糖値を良好な状態に維持できれば、合併症の発症を予防し、健康な人と変わらない生活が送れます。一時的に血糖値が改善されても、治療を中断したり適切な食事や運動を心がけなかったりすると、また高くなってしまいます。

◇糖尿病にならないために気を付けることは?
適正体重を維持しよう
糖尿病には残念ながら予防ができないタイプもありますが、最も多いタイプの糖尿病は、内臓脂肪を減らすことで発症の予防ができます。食べ過ぎや運動不足にならないように注意し、適正体重を維持することが大切です。具体的には、糖分を多く含む飲み物や脂質の多い食事を控える、ウオーキングなどの有酸素運動を習慣づけるなどです。

■健診結果をチェック!
下記に当てはまる人は医療機関を受診しましょう。

◇糖尿病の主な検査項目
・HbA1c
6.5%以上
・血糖
空腹時血糖126ミリグラム/dl以上または随時血糖200ミリグラム/dl以上

健康診断で血糖値や体重を定期的にチェックすることで、糖尿病の早期発見や予防につながります。1年に1度は健康診断を受けましょう。

■TRY やってみよう 普段の暮らしでできること
◇食事編
量とバランスが大切。腹八分目を目安に食べ過ぎないようにし、食事内容や食べ方を見直してみましょう。

・見えない砂糖に注意
ジュースや炭酸飲料、スポーツドリンクには砂糖が多く入っています。日常の水分補給はお茶や水にしましょう。

・主食の重ね食べは避ける
主食に多く含まれる糖質は血糖値を上げやすい栄養素。主菜・副菜を組み合わせましょう。

・1日3食規則正しく食べる
食事を抜くと空腹時間が長くなり、次の食事後に血糖値の急上昇・急降下を招き血管に負担がかかります。

・「ベジ・ファースト」を意識
野菜から食べることで、食物繊維が血糖値の急上昇を抑えます。ゆっくりよくかんで食べましょう。

◇運動編
「今より少しでも」がポイント。運動が大変と感じる人は、まずは体を動かすことから始めましょう。
・エレベーターではなく階段を使う
・今よりも10分(約1,000歩)歩く時間を増やす
・隙間時間にストレッチや筋トレをする
・30分に1回立って動く

■巡回健康相談
保健師・看護師・栄養士による健康相談、血圧・体脂肪・握力測定を行います。
日時・場所:
11月10日(月)コープ神吉店
11月18日(火)イオン加古川店
11月21日(金)ニッケパークタウン
※いずれも午前10時~午後1時。

■LINE de 健康応援!2025
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申し込み:11月30日(日)まで
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