くらし 〔Column〕参画と協働の芽

■悩みや思いを共有し前に進む
老人をかかえる家族の会・川西代表 齊藤悦子さん

同会について
※二次元コードは本紙をご覧ください。

◇仲間と共有する悩みや思い
「普段感じている悩みや思いを声に出して伝えることで、すっきりとした気持ちになり、明日からも頑張ろうと思うんですよね」
そう話すのは、「老人をかかえる家族の会・川西」で代表を務める齊藤悦子さん。
同会では、認知症の人を支える家族や知人などが、市民活動センターで集まり介護の悩みを話し合う場を設けています。また、市社会福祉協議会と共同してスタッフが認知症の人を支える家族などへ電話で本人の生活状態の確認や相談に応じたり、孤独感の緩和に努めたりしています。

◇「生の声」が一番心に響く
同会は、約30年前に創設されました。齊藤さんは創設時からの唯一のメンバーで、自身も認知症の家族を支えた介護経験者です。
「会の創設時、私は母親として小学生の子ども2人を育てながら認知症を患う義母を介護していました。今では、介護保険制度やデイサービスなどが充実していますが、当時は病院で相談しても、認知症を理解している医師が少なく、『高齢だから仕方がない』と言われ、介護保険制度もなく、今のようなサービスはありませんでした」
毎日休むことなく認知症の義母を支えていた齊藤さん。同会に参加することで、前向きな気持ちになれたと話します。
「義母のサポートを頑張りすぎると、しんどさを感じてしまうことがありました。この会では、私と同じ経験をしている人が集まり、それぞれが抱える悩みや思いを話すことで、最後は皆さんホッとされて帰られます。同じ経験をしている人が集まるからこそ、話していることが心に響くんです」

◇できることをコツコツと
現在は、代表兼スタッフとして活動している齊藤さん。自身の経験を生かして、同じ悩みを持つ人をサポートしていきたいと話します。
「会員やスタッフの思いを継承し、約30年続けることができました。実際に集まって話すことがどれほど大切なことなのか。だからこそ、継続することが重要ですし、一人でも多くの人に参加してもらうために、できることを一つずつ進めていきたいです」

◆心配な症状がある時どこに相談したらいいの?


住所によって相談先の地域包括支援センターが異なります。詳しくは市ホームページへ。

問合せ:中央地域包括支援センター
【電話】072-755-7581