くらし 市手話言語条例の施行から約3年 広がる手話の輪(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県川西市
- 広報紙名 : 広報かわにし milife 令和7年9月号
手話を題材にしたテレビドラマが放映されるなど、手話やろう者への注目が高まる昨今。市では約3年前に市手話言語条例を施行しました。手話は大切な言語の一つです。手話教室や手話サロンなど、市内では輪が広がり続けています。
・ろう者とは
聴覚障がいの中でも特に、生まれつき、または幼少期に聴力を失い、手話を主なコミュニケーション手段とする人のこと
市手話言語条例 全文はこちら
※二次元コードは本紙をご覧ください。
・市手話サポーター養成講座の修了証(缶バッジ)のデザインは市内の小・中学生に募集し、決定した
・指さしで応対ができるコミュニケーションボードを、市役所の各窓口に設置している
・防災バンダナは、災害時などに聴覚障がい者と支援者の双方が使用できる
・「手話言語の国際デー」の9月23日(祝)の夜に、市役所北側懸垂幕のブルーライトアップを実施
■手話を使いやすい環境をつくるために
令和4年4月に施行された「市手話言語条例」。同条例では、手話が一つの言語であるということを認識し、手話を使用しやすい社会をつくるための取り組みを進めていくこととしています。
国でも、「手話に関する施策の推進に関する法律(手話施策推進法)」が今年6月25日に施行するなど、手話を取り巻く環境は変化しつつあります。
■手話を広げるための催しや情報保障の取り組み
市では、地域で支え合う手話サポーターを養成することを目的に、5年から「手話サポーター養成講座」を継続的に実施。講師はろう者と聞こえる者がペアで務め、基礎知識の学習や手話体験などを行っています。これまで地域で活動する団体や事業者などが受講し、延べ419人が手話サポーターになりました。
6年には市と(株)阪急阪神百貨店が主体となり、川西ろうあ協会や市内の手話サークル「パピヨン」「クローバ」の協力を得て、手話体験会などを実施。会場となった川西阪急には、延べ257人が来場しました。
また、聴覚障がい者への情報保障の一環で、18カ所の避難所に防災バンダナを備え付けています。バンダナには、「耳が聞こえません」「手話ができます」などが記載され、用途に合わせて使用できます。市役所の各窓口には、指さしで意思疎通ができるようコミュニケーションボードを設置。応対が円滑に行えるようにしています(本紙参照)。
9月23日(祝)の「手話言語の国際デー」には、川西ろうあ協会がキセラ川西プラザで「手話まつりin川西」を開催。また、11月には聞こえない・聞こえにくい人のためのオリンピック「デフリンピック」が東京で開催されるなど、手話を学習する気運が高まっています。
市内では川西ろうあ協会が中心となり、月に1回「手話サロン」などが行われています。この機会に皆さんも、手話を学んでみませんか(イベントなどは本紙3ページ参照)。
■手話がつなぐ 優しい社会へ
川西ろうあ協会会長 種池麻祐子さん
市手話言語条例が施行されてから手話講座の参加者が増え、年代の幅も広がっています。テレビなどで手話を目にする機会が増えていることも、関心を高めるきっかけになっているようです。また、市長のインスタライブでの手話通訳や市手話サポーター養成講座など、市が手話に関する取り組みを進めていることも大きいと感じています。
そんな中、皆さんに「もっと手話にふれてほしい」と始めたのが「手話まつり」です。手話の魅力や大切さを伝えるイベントとなっています。手話はろう者にとって大切な言語です。手話への理解が進むことで、誰にとっても優しい社会につながっていくことを願っています。