- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県市川町
- 広報紙名 : 広報いちかわ 2025年4月号
感性豊かな人・まちづくりをめざして
◆5年前 コロナ禍での入学式
新型コロナ感染の始まりは2020(令和2)年1月でした。これまでの経緯について年表にして振り返ってみます。
▽2020(令和2)年
1月15日日本国内で初の感染者確認
3月2日全国の学校で一斉休校開始3月末まで休校・卒業式のみ実施
3月29日志村けんさん死亡
4月10日市川町の小中学校が入学式の後に再度長期休校開始
6月1日市川町の小中学校が登校再開・夏休みを8月8日〜8月16日に短縮
▽2021(令和3)年
4月12日ワクチン接種開始
7月23日東京オリンピック・パラリンピックを無観客で開催
7月以降変異ウイルス「デルタ株」の流行
▽2022(令和4)年
1月以降
変異ウイルス「オミクロン株」の流行
ワクチン接種が広く進行
対処方針をウィズコロナへと転換
▽2023(令和5)年
5月8日2類から5類に移行・新型コロナ感染対策本部閉鎖
《コロナ禍でのピカピカの新入生 今は小学6年生に》
5年前は入学式の実施後すぐに、長期休校に入りました。この年の新入生は、ランドセルをほとんど使わないまま、約2か月間を過ごしました。そしてこの年は、休校での学習の遅れを取り戻すため、酷暑の中、夏休みを大幅短縮しています。その新入生が、今は6年生になりました。もう5年がたったのです。
ここで、このコロナ禍での人権問題についても振り返ってみましょう。
◆コロナ禍での人権問題
▽感染者への誹謗中傷
日本で初めて感染が確認されてから、学校が一斉休校になるまで、わずか1か月半です。急速に感染拡大しました。この時期、感染者への激しい誹謗中傷がありました。住居への落書き、投石、あらぬ噂の流布など、非常に悪質な問題が発生しました。
▽都市部からの来訪者への対応
感染拡大の初期は、地域によって感染者数が大きく違いました。東京など大都市に多く、地方には少ない時期がしばらく続きました。この時期、東京から地元に帰る人は「コロナウイルスを持ってきたか」と白い目で見られたのでした。また、都会ナンバーの車が感染者の少ない地方に行った際に、車を傷つけられ「帰れ!」と罵声を浴びせられることがありました。
▽自粛警察
うっかりマスクを外した人を見つけたら、つめよって激しく攻撃するという、過剰な行動も見られました。
「自粛警察」と呼ばれました。
▽ワクチン接種の強要
ワクチン接種が始まると、接種を受けない人への攻撃がありました。「全員が受けないとダメだろう!」というバッシングです。接種に関しては個々の考えがあります。持病により接種できない人もいます。それを、一律同じであるべきだという同調圧力です。
このような多くの人権問題が起こりました。今、新型コロナは5類に移行してインフルエンザ等と同じ扱いです。さほど恐怖心はありません。しかし、5年前に志村けんさんが亡くなった時には、誰もが衝撃を受けました。
「自分が感染したら」だけでなく「おばあちゃんに感染したら」という心配があります。また「仕事を長期間休めない」という事情もあります。それぞれの思いがある中で、一部の人が過剰反応したのでした。
このように、感染症には必ずと言っていいほど、人権問題が伴います。今後もまた、新種の病原体が現れ、新たな感染症が生まれると言われています。必要なのは一人一人の冷静な判断力です。デマに流されず、正しい情報を得て、適切な行動をとりたいものです。
問合せ:生涯学習課 人権教育啓発係
【電話】26-0001