- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県太子町
- 広報紙名 : 広報たいし 2025年4月号
骨粗しょう症は、「まだ先の話」と思っていませんか。骨粗しょう症は、誰もがリスクを抱えている身近な病気です。
◆骨粗しょう症とは
骨の強さ(骨強度)が低下し骨折しやすくなる病気です。自覚症状はなく、知らないうちに進行します。
◆骨強度とは
骨強度は、骨量の指標となる骨密度+骨質(骨の素材や構造など)のことで、骨強度の7割は骨密度で決まります。
骨量は、骨に含まれるカルシウムなどのミネラル量で、検診などで測定する骨密度は骨量を数値化したものです。骨量は、成長期に増加し、20歳代でピークを迎え、40~50歳代頃から加齢などにより減少します。
◆骨粗しょう症の予防
予防は、「成長期に骨量を増やすこと」、「ピークを迎えた骨量を維持すること」であるため、早いほど効果が期待できます。「明日から」と先延ばしにせず、今すぐ始めることが今のあなたにとって最大の予防となります。
◆予防方法
(1)カルシウムをとる
成人のカルシウムの推奨摂取量は、女性600~650mg/日、男性700~800mg/日ですが、日本人の平均摂取量は504.9mg/日と不足しています。カルシウムは骨の重要な構成成分ですが、心臓が拍動するために必要不可欠であるため、血中にも存在します。カルシウムが不足している状態では優先的に血中にいくため、骨粗しょう症になる可能性が高まります。カルシウムが不足しないよう食べ物から摂取しましょう。
・カルシウムが多い食品、
乳・乳製品、小松菜、モロヘイヤ、水菜、大豆製品干しエビ、ししゃも、切り干し大根、ひじきなど
(2)ビタミンKをとる
ビタミンKは体内に入ったカルシウムが尿と一緒に体外に出るのを防ぎ、骨にカルシウムが取り込まれるよう誘導する役割があります。
・ビタミンKが多い食品
ブロッコリー、小松菜、わかめ、のり、納豆など
(3)ビタミンDをとる
ビタミンDは腸内でカルシウムが体内に吸収されるよう働くため、ビタミンDがないとカルシウムは便とともに体外へ排出されます。
・ビタミンDの多い食品
鮭、サンマ、干ししいたけ、きくらげ、卵など
ビタミンDは、紫外線B波を浴びると体内で作ることができます。服装や天候に左右されますが、夏は木陰で30分程度、冬は顔や手に1時間程度を目安に日光浴をしましょう。紫外線B波はガラスを通らないので、注意してください。また、長時間の日光浴も皮膚に負担がかかるため避けましょう。
(4)地面に接した運動を適度に行う
骨にかかる負荷が減ると、骨は「自分の役目は終わった」と勘違いし、骨を強くすることを辞めてしまいます。そのため、寝たきりなどの場合、骨粗しょう症が急速に進みます。骨に負荷をかけるため、定期的に運動を行いましょう。水中で重力が減る水泳より、ウォーキング、ジョギング、階段の上り下りなどがおすすめです。
(5)骨粗しょう症を促進する原因を取り除く
過度の飲酒やダイエット、喫煙、過労、ストレスなどは骨粗しょう症の危険因子なので、避けるようにしましょう。
その他、骨質をよくするためには、バランスの良い食事が必要といわれています。糖分の取りすぎに注意し、タンパク質をしっかり取るようにしましょう。ただし、これらは一般的な骨粗しょう症の予防法になります。他の病気で治療中の場合は、「ビタミンKはワーファリンを内服されている人は注意が必要」など体調に影響する場合があるので、主治医にご相談ください。