くらし 「年度末・年度はじめ」に想うこと

役場で言うところの年度末、年度初めは言うまでもなく、昨年の振り返りと気持ち新たに「さあやるぞ」が交錯する時期であります。昨年度は富貴小学校の開校に始まり、世界遺産登録20周年記念事業の推進、特に「学びの杜」は設計段階から住民参加をコンセプトに町の皆さんから多くのご意見を得ました。また町内の皆さん特に地元鶯谷の皆さんには工事中ご迷惑をおかけしたのにもかかわらず、ご協力をいただいた事などを回想しつつ、小学校・中学校・公民館・教育委員会の引っ越しなどが押し迫るなか、町の皆さんから付託されたこの「学びの杜」をしっかり軌道に乗せられるかどうか、不安な気持ちが続いておりました。完成式典が近づき、町の各種団体の皆さんのご協力もあり、心に残る式典とイベントを開催することができました。今、子ども達は笑顔で学校生活を楽しんでくれている様子です。改めてご支援いただきました皆様にお礼を申し上げます。

一方、年度末の三月には花坂小学校を閉じなければならない、閉校式を行わなければならない寂しい現実が待っておりました。150年の歴史を有する花坂小学校。閉校式では町長が万感の思いから、言葉に詰まってしまうシーンがありました。これは町長として学校を残すために、できることは無かったのか、最後の幕を引く辛さからだと思います。私も教育長として言葉にできない無念さを感じておりました。しかし花坂区長さんの「時代の流れ、振り返るだけでなく前を向こう」との言葉に救われた気がました。

これからも、花坂の皆さんどうかよろしくお願いいたします。

さて、新しい年度が始まります。学校の一番大きな変化として、高野山小学校・中学校の校長が一人体制となります。これはそれぞれの学校の歴史や培われた文化を活かしながら、小学校から中学校の9年間を見通した教育を加速充実させるためです。義務教育は子ども達がこれからの激動する社会を生き、ひとり一人が充実した人生を得るための力、言い換えれば足腰のしっかりした「人間力」の基礎を養う期間です。学び舎が一つになり職員室も一つ、校長も一人、学校がワンチームとして子ども達と一緒に新しい時代の教育を育んでくれるものと確信いたします。

紹介し忘れましたが、校長の名前は「寺坂多江」先生です。柔軟で広い教育観を持ち、安心して学校を任せられる校長です。高野町には初めての着任ですので皆様のご支援をいただけますようお願いいたします。

さて、いつもながら思い付きで書いてしまう拙文にお付き合いいただきありがとうございます。高野にも春の足音が聞こえ季節の変わり目になってまいりました。皆様方にはご自愛くださいますようお祈り申し上げます。

教育長 西岡 敬