イベント 高野から世界へ~和紙に込めた利他の祈り~

東京大学先端科学研究センター(以下「先端研」)は、高野山大学・金剛峯寺・高野町・和歌山県などと連携し、大阪・関西万博を契機として「日本のこころ」をオブジェの制作・展示を通じて世界に発信する「利他の蓮華」事業を展開してきました。
本事業は、「利他のこころ」や「いのちの大切さ」、そして日本の伝統や文化を子どもたちに受け継ぐことで、未来に大輪の花を咲かせ、世界中の人々の幸せにつながることを願って進められているものです。
「利他の蓮華」のオブジェは、上部から八葉の蓮の花びら、法輪、蓮華座で構成されています。六角経堂と同様に、来場者が協力して法輪部分を回すことで花びらが開く仕組みになっています。一枚一枚の花びらは細川の高野紙でできており、高野の表具師が紙をつなぎ、伝統的な「折り」の技術で制作しました。蓮華の内部には胎蔵界曼荼羅をモチーフとして、日本古来の「すべてがつながり、すべてが大切である」という「こころ」が表現されています。八葉が開くと、直径2〜3メートルの大きさになります。
開閉機構は、高野の宮大工がからくり人形のような木の組み合わせの技術を用いて制作し、基部の蓮華座は高野のねぶた技術を活用して制作されました。
7月7日、高野山学びの杜において、子どもたちが力を合わせて和紙片に「夢」を記し、蓮華座に貼り付けることで、オブジェが完成しました。この取組には、高野町のみならず県内各地の自治体にもご協力いただき、子どもたちや地域の多くの皆様、あわせて1万人を超える方々の力が結集されました。
完成した「利他の蓮華」は、「高野山会議2025」の一環として、7月26日に大阪・関西万博のイタリア館で展示されます。その後、8月2日から9月28日までは金剛峯寺新別殿で展示され、最後に、クロージングウィークとなる9月30日から10月9日まで万博会場の和歌山ゾーンに展示されます。
本オブジェを通じて、世界に向けて高野町の魅力が広く発信されることが期待されます。

問合せ:企画公室
【電話】0736-56-2932