- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県印南町
- 広報紙名 : 広報いなみ 令和7年7月号 No.360
■自然の大切さ
印南町長 日裏 勝己(ひうらかつみ)
今、町長室の窓ガラスは雨に打たれ、周りの景色がかすんで見えます。気象庁は6月9日、近畿地方が「梅雨入りしたとみられる」と発表、平年より3日遅く、昨年より8日早い梅雨入りとのことであります。ちなみに近畿地方の平年の梅雨明けは7月19日頃とされています。ここしばらくは、じめじめした天気が続くことになりますが、大荒れの無い穏やかな梅雨であってほしいと願うばかりです。気象予報も最近は精度が上がり、正確に予報されていますので、テレビやスマートフォンなどからの情報に注視され、早め早めの安全確保に努めていただきたいと思います。今度は梅雨が明ければ、熱中症の心配も出てきます。お互いに体調管理には十分注意しましょう。
さて、我が家の窓から見える田んぼには稲が植えられ、日に日に成長が感じられます。今年の5月下旬、水中写真家の「内山りゅう」さんが、朝早くからカメラを持って田んぼの畔を行ったり来たりされていました。家内が出会って話をしたところ、ドジョウの産卵シーンを撮影したくて来られたとのことでした。私も内山さんの写真集を何度か見させてもらい、感銘を受けました。数年前になりますが、東京出張時、白浜空港の待合室で、カメラとリュックを持たれていたことから声をかけたところ、内山さんでした。東北に取材に行かれるとのことであったと思います。内山さんは、東京都武蔵野市の出身で、東京でアユを題材にした作品づくりに取り組む中、選んだ撮影の舞台が、森の豊かな紀伊半島であったとのこと。東京と和歌山を行き来していたそうですが、平成11年に東京から白浜町へ移住し、県内各地を回り撮影活動をされています。また、内山さんの奥さんは保健師をされており、コロナワクチンの集団接種時や、今でも時折住民福祉課がお世話になっています。話は外れましたが、ドジョウの産卵シーンは内山さんでさえ実際に出くわしたことがないとのことであります。また、ドジョウは絶滅危惧種でなかなか生育しているところがなく、自然の中でドジョウやメダカが育っているこの場所は、県下でも珍しいとのことで、その後も撮影に来られていました。私も、メダカはいつも泳いでいるのを見ますが、ドジョウについては、本当に少なくなっていると感じています。
先日、鴨が2羽、田んぼの中を泳いでいるのを初めて見ました。自然が近くにあるのは当たり前と思っていますが、貴重なことであると改めて感じます。