- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県鳥取市
- 広報紙名 : とっとり市報 令和7年4月号
本市では、すべての市民が認知症を自分ごととしてとらえ、認知症になってからも自分らしく暮らし続けることができるまちをめざして「鳥取市認知症施策推進計画」を3月に策定しました。
令和6年3月に、認知症本人やその家族、介護保険サービス事業所、医療機関など、さまざまなメンバーで構成された「鳥取市認知症施策推進計画策定ワーキンググループ」を立ち上げ、全6回の会議を通して、計画の原案を作成しました。認知症本人の暮らしの経験や工夫をもとに、メンバーそれぞれが立場を超えて対話を重ね、自分たちができることについて検討しました。また、認知症本人ミーティングなど、これまでの施策や取り組みで得られた具体的な提案や、市民政策コメントなどで寄せられた意見を反映させ、計画を策定しました。
認知症は年齢にかかわらず、だれでもなる可能性があります。認知症になってからも自分らしく暮らし続けていくためにどうすればよいか、一人ひとりが考える時代が来ています。本計画は、「新しい認知症観」に立ち、認知症になってからも希望を持って暮らせるまちをみなさんとともに創るためのスタートとなるものです。
◆寄せられた声や意見の一部を紹介します
・自分が認知症だと社内でオープンにしたことで、他の人も言いやすい社風になっている。(60歳代)
・認知症になってからも、自分が経験したことを伝えていける場があると良い。(30歳代)
・新しい認知症観が当たり前になるよう、自分自身も努力したい。(60歳代)
・もっと身近な地域で認知症について話せると良い。(80歳代)
◆新しい認知症観とは…
認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人ひとりが個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間とつながりながら、希望をもって自分らしく暮らし続けることができるという考え方。
(国の「認知症施策推進基本計画」(令和6年12月)より)
■鳥取市 認知症本人の声 活動応援サポーター きぼうさちゃんandふたこぶさん
◆めざすすがた
認知症になってからも、自分らしく暮らし続けることができるまち
▽目標1 認知症であることや、自分の思いを必要な人に伝えることができる
だれもが認知症になり得ること、認知症になっても自分らしく暮らすことができることについて、地域や職場などで話し合う機会を増やし、一人ひとりの理解を深めます。
▽目標2 本人同士が出会い・つながり、経験や工夫を生かしながらやりたいことに挑戦し続けることができる
認知症本人が主体的に挑戦する原動力となるピアサポート活動(同じ背景をもつ人が互いに支え合う活動)を充実させます。
▽目標3 自分自身の暮らしのさまざまな場面でかかわる人とともに考え、暮らしやすい環境を創ることができる
認知症本人の声を聴き、対話と実践を重ねながら、認知症バリアフリーの推進を行います。
▽目標4 自分自身にとって前向きになれるような良い情報を入手し、心身の状態・住まいの場所にかかわらず自らの意思で決めることができる
認知症本人の思いや考えが尊重されるような仕組みを整備します。
◆計画の推進について
この計画では市民のみなさんとともに、さまざまな場面での対話を重ねながら取り組みを検討・実践していきます。今後、認知症本人を含めたさまざまな立場の人で構成する「鳥取市認知症施策推進ワーキンググループ(仮称)」を定期的に開催し、取り組み状況の確認や評価などを行います。
・日頃から思いを伝え合う
・声や思いを共有・考える
・各地域で具体的なアクションを考え実践
◆市民のみなさんと一緒に取り組んでいきます
認知症になってからも、希望と尊厳をもち、自分らしさを大切にした暮らしを続けることができます。
また、自らの思いを発信し、工夫しながらできること・続けられることがあります。
認知症本人の声を起点に、自分にできることを一人ひとりが主体的に考えていくことが大切です。本市は本計画に基づき、事業や取り組みを発信していきます。すべての市民が暮らしやすいまちになるよう、ともに取り組みましょう。
問い合せ先:本庁舎鳥取市中央包括支援センター(13番窓口)
【電話】0857-20-3457
【FAX】0857-20-3906