くらし “CHIPs”ってなんだろう?
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- 発行日 :
- 自治体名 : 鳥取県智頭町
- 広報紙名 : 広報ちづ 2025年8月号
■町の未来を一緒に育てる、新しい動き
「CHIPs(チップス)」という言葉、耳にしたことはありますか?
これは「CHIZU Incubation Platform(チヅインキュベーションプラットフォーム)」の略称で、2024年度から始まった新しい取り組みです。
智頭町が、町内の金融機関・商工会・民間企業などと連携してつくった「CHIPsコンソーシアム」を中心に、町のこれからの暮らしや仕事を、町内外の人と一緒に考え、形にしていこうという活動です。
「自分の力で何かを始めたい!」という思いを持つ人たちが町に集まり、町での出会いや体験を通して、少しずつ事業のタネを育てていきます。
▽CHIPs Audition(チップス・オーディション) ビジネスプランだけでなく、「未来を共につくる人」を
CHIPsの柱のひとつが、年に一度行われる選考会「CHIPsAudition(チップス・オーディション)」。智頭町の未来を共につくっていく「人」を見つけ、応援する場として企画されました。
応募者は、自分の想いや地域課題への関心、そしてそれに基づいたアイデアをもってエントリーします。選考は「CHIPsコンソーシアム」が担い、アイデアの実現可能性だけでなく、地域と向き合う姿勢や継続力なども含めて、総合的に評価されます。2024年度は、全国から12組の人が応募し、多様な視点から地域に根ざしたプランが提案されました。
▽オーディション後の動きと、町ぐるみの支え
選考後、参加者たちは何度も町へ足を運び、地元の事業者や団体、町民と対話を重ねながらアイデアを少しずつ具体化していきます。また、参加者たちが地域での実践や事業者との対話を目的に来町する機会として、合宿形式の「CHIPsCAMP(チップス・キャンプ)」も開催しています。
すべての応募者に共通しているのは、「智頭町で何かを形にしたい」「智頭町の課題解決に向けたお手伝いがしたい」という思いです。CHIPsコンソーシアムは、アイデアの相談相手や、地域の協力者をつなぐといったかたちで、一人ひとりの挑戦に寄り添いながら伴走支援を行っています。地域とともに未来をつくっていく“過程”そのものを大切にする取り組みとして、今後も様々な活動を予定しています。
[2025年度]CHIPs Audition:10月開催予定・応募受付中
▽主役は「挑戦したい人」と「町の人」
CHIPsには、町外から智頭に関心を持たれた人はもちろん、智頭町に住む人の参加もあります。「いつか事業をやってみたかった」「町のことにもっと関わってみたい」そんな思いを持つ人たちが、地域の人や出来事とつながりながら、一歩ずつ挑戦を始めています。どの事業も「誰か一人のプロジェクト」ではなく、「地域と共につくること」を目的としているのがCHIPs事業の特徴です。
たとえば、以下の事業のタネが動き出しています。
・人とペットが癒されるまちを目指して ー幼いころから智頭に関わってきた獣医師の取り組み
・親子の共育(きょういく)プログラムづくり ー何度も来町してきた、東京都在住のご夫婦
・智頭材を使った照明で、町の未来を灯す ー智頭町出身/在住の木材事業者の挑戦
▽智頭町の“これまで”と、“これから”をつなぐ試みとして
智頭町ではこれまでも「百人委員会」や住民自治の仕組みづくりなど、町民自らが町の未来を考え、動かすチャレンジが続けられてきました。CHIPsは、そういった歩みの先につながる新しい試みです。
町の内外から人が集まり、出会い、共にアイデアを育てていく―
その過程こそ「まちづくりの本質」ではないでしょうか。
CHIPsはある特定の人だけのものではなく、町民の皆さまも関わっていただくプロジェクトとして、これからも動いていきます。
今後の連載をとおして、「こんなことが起きているんだ」「ちょっとのぞいてみたいな」
そんな気持ちが、町のあちこちに芽生えていったら―
それが、未来への何よりの一歩になると信じています。