イベント CHIPs Report 第2回 “来る”から始まる、つながりの種まき

7月、CHIPs Audition2025応募者の一部が智頭町を訪れ、数日間の滞在体験を行いました。町の空気に触れながら、CHIPsコンソーシアムメンバーとの顔合わせや意見交換を行い、それぞれの事業構想を“町に根ざす”ための第一歩を踏み出しました。
また、滞在期間中に開催されたイベント「DEEP FOREST BOX」にも参加。前年度CHIPs Audition通過者の行光基さん(獣医師/JPB株式会社)と、共に商品開発を手がける林健太郎さん(出合獣肉店)によるトークセッションでは、地域で事業を立ち上げていく際の姿勢や、町との関わり方について語りました。これから事業を立ち上げていこうと考えている参加者たちは、会場で町民や林業関係者などと対話し、智頭町で生まれる多様な挑戦や価値観に触れながら、自らの事業アイデアを見つめ直す時間となりました。
「事業アイデアが町の中で動き出すには、まず人と出会い、声を聞くことから」
そんなCHIPsらしい、静かな一歩がまたここから始まっています。

■「DEEP FOREST BOX」とは?
「林業」と「まちづくり」をテーマに、町内外の多様なプレイヤーが集い、森と地域の未来を考える交流イベント。現場フィールドの案内やトークセッションなどを通じて、林業のリアルな姿や町での可能性に触れる場となっています。第3回開催の今回は、CHIPsメンバーの登壇もあり、新しい事業の形を町内外へ紹介する機会にもなりました。

■参加者インタビュー
行光基さん 獣医師/JPB株式会社取締役
▽「動物と過ごすと、心がほっと緩む。そんな感覚、ありますよね?」
そう語るのは、獣医師であり、動物病院グループの運営や保護犬•猫との関わりを軸に事業を展開してきた行光基さん。2024年のCHIPs Auditionを通じて、智頭町で新たに「人とペットが癒されるまち」の実現に向け、日々奮闘中です。
たとえば、ペットと泊まれる宿やカフェ、保護動物との触れあいの場、ペット用のおやつ開発、さらには動物好き同士の婚活イベントまで―。「ペットをきっかけに、地域の人と人がつながる。そんな風景をつくりたい」と語ります。
実は行光さんの実家は智頭町で豆腐や飲料水を製造する会社を営んでおり、縁の深い土地でもあります。
「町の皆さんと一緒に土台から育てていきたい。その想いが一番強いんです」
ペットは、心を癒し、日々の暮らしに小さなリズムをもたらす存在。特に高齢化や人口減少が進む地域において、ペットとの暮らしが人と人とのつながりを生み、地域の元気を支えるきっかけになる可能性があります。
“動物との共生”をまちづくりの一部に─。行光さんは、そんな未来を見据えて、智頭町での一歩を踏み出しています。