くらし 「特集」国勢調査 10月1日から始まります(1)
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- 発行日 :
- 自治体名 : 島根県江津市
- 広報紙名 : かわらばん 2025年9月号VOL.885
■国勢調査とは
国勢調査は、日本に住むすべての人と世帯を対象に、5年に一度実施される最も基本的な統計調査です。調査の対象は、10月1日時点で日本に住んでいる人全員で、生まれたばかりの赤ちゃんや外国人も含み、一人暮らしの学生や単身赴任中の人も、住民票の住所に関係なく、実際に住んでいる場所で調査されます。
■日本の人口
第1回国勢調査時の人口は5596万人で、平成27年にピークの1億2709万人に達し、そこから人口減少が始まりました。令和2年の国勢調査における日本の人口は1億2614万人となっています。
■江津市の人口
70年前の昭和29年に江津市と桜江町(当時は村)が誕生し、現在の江津市にあたる人口は44875人(昭和30年国勢調査結果)、そして前回の国勢調査の結果、江津市の人口は22959人まで減少し、2040年には約1万7千人まで減少すると推計されています。
また、人口ピラミッドを比較してみると、昭和50年から令和2年にかけて若年層の人口減少が顕著であることが分かります。出生数も当時の4分の1程度になっています。(本紙3ページ)
■国勢調査の歴史
▽国勢調査の原点
国勢調査の原型は、明治12年に杉享二という人物が現在の山梨県で行った「甲斐国(かいのくに)現在人別調(げんざいにんべつしらべ)」と言われています。この調査は全国的な国勢調査の実施に向けての試験調査として行われましたが、当時の財政事情や統計への理解が振興していなかったことなどから本調査は実施されませんでした。
▽第1回国勢調査
明治35年に「国勢調査二関スル法律」が定められ、明治38年に第1回国勢調査を行う計画でしたが、戦争により実施されませんでした。そして「甲斐国現在人別調」が行われてから40年後、「国勢調査ニ関スル法律」が定められてから18年後の大正9年に第1回国勢調査が行われ、今日に至るまで5年ごとに行われています。
■統計の活用事例
国勢調査の結果は、次のようなことに利用されます。
▽各種法令に基づく利用
・衆議院の小選挙区の改定
・地方交付税の算定
▽行政の施策への利用
・子育て支援のための施策
・防災計画の策定
▽公的統計の作製・推計に利用
・将来の人口、世帯数の推計
・他の統計調査の標本設計
▽学術研究・企業などでの利用
・人口学、地理学、経済学、社会学など学術研究での利用
・需要把握、サービスの需要予測 など
■国勢調査のおさらい
▽国勢調査の調査項目
(1)世帯員に関する事項(13項目)
・氏名
・男女の別
・出生の年月
・世帯主との続き柄
・配偶の関係
・国籍
・現在の住居における居住期間
・5年前の住居の所在地
・就業状態
・所属の事業所の名称および事業の種類
・仕事の種類
・従業上の地位
・従業地または通学地
(2)世帯に関する事項(4項目)
・世帯の種類
・世帯員の数
・住居の種類
・住宅の建て方
▽国勢調査のデータを見てみましょう
■日本近代統計の祖 杉 亨二(すぎこうじ)
杉亨二(すぎこうじ)は、1828年に肥前国長崎(現在の長崎県長崎市)で生まれる。1853年勝海舟と出会い、1855年に彼の推薦で幕府に仕え、1871(明治4)年に設置された太政官正院の統計局前身にあたる「政表課」の大主記に任命され、日本における統計学の発展に尽力しました。特に、政府の統計調査の整備や標準化に努め、日本の統計学の基礎を築き、統計学の普及と教育にも力を入れ、多くの後進を育てました。
参考:統計局ホームページ,国勢調査100年のあゆみ
【HP】https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2020/ayumi/
問合せ:政策企画課情報システム係
【電話】0855-52-7928