健康 健康andすくすく(1)認知症とともに暮らせる街・江津

■認知症とは
認知症は誰もがなりうる可能性がある脳の病気です。65歳以上になると4人に1人は認知症や軽度認知障害の可能性があると言われています。

■認知症でも前向きに
「認知症になると何もできなくなる」「何も分からなくなる」と思われがちですが、認知症と診断されたあとも、生活を工夫しながら生きがいや楽しみをもち、前向きに暮らしている人はたくさんいます。今回は認知症とともに、前向きに歩くご本人からのメッセージをご紹介します。

○今までも、これからも前向きに(80代男性)
運転免許の更新を受けましたが、認知機能検査で引っかかり、車を手放すことに。不安はありましたが、事故を避けるために免許を返納しました。
返納後もできるだけ今までと同じ生活が送れるように、タクシーやバスを利用することにしました。好きな温泉にはバスで出かけて、顔なじみの温泉友達ができ、買い物には歩いて行くと、人に出会って話もする。病院の先生からは「近くの病院に変わるのではなく、来れるうちは汽車やバスを利用して来て下さい。待っているから」と声をかけてもらいました。
今までもこれからも、周りに感謝して、人と話をしたり、運動しながら、相手を想いやって、前向きに歩いていきたいと思います。

○自分なりにいろいろと(80代女性)
75歳のときにアルツハイマー認知症の診断を受けました。忘れることが多いので、探し物をしないように、大切な事は紙に書いて決まった場所に貼っておく。出かける時には知り合いに連絡してから行く。玄関の鍵などはひとつに紐でまとめて、カバンの持ち手に取りつけるなど自分なりの工夫で暮らしています。
地域の活動は知人が誘ってくれます。忘れ事の多い自分にはありがたいです。嫌なことや辛いことがあったとき、自宅そばから見える海の激しさや穏やかさを見ることで沢山救われてきました。これからも、この家で暮らしていきたいです。

■こんなサポートが受けられます
▼集まりの場
○認知症ご本人のつどい(本人ミーティング)
認知症の本人同士の交流会を不定期で開催しています。
本人同士が主となって、生活の悩みや感じている思いを自由に語り合うことができる場です。

○オレンジカフェ(認知症カフェ)
オレンジカフェは、認知症の人やその家族、地域住民、専門職などが気軽に集まり、気軽に相談や交流ができる場です。
予約は不要で、お住いの地区に限らず、どのカフェにでもご参加いただけます。
※二次元コードは本紙をご覧ください。

○介護者のつどい
認知症の人の介護をしている人の集まりです。日々の介護の悩みの相談や情報交換を行っています。詳細は本号の19ページをご確認ください。

▼外出の支援
○ヘルプマーク、ヘルプカード
認知症や内部障害の人、妊娠初期の人などは、援助や配慮を必要としていることが外見からわかりにくいことがあります。ヘルプマーク、ヘルプカードを身につけることで、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせることができます。

○介護マーク
認知症の人などの介護は、他の人から見ると介護をしていることがわかりにくいため、誤解や偏見を持たれることがあります。そのため、介護中であることを周囲に理解してもらえるように設けられたマークです。

○認知症高齢者等見守り安心ネットワーク
認知症により行方不明になる可能性のある人のお名前や特徴、写真などの情報をあらかじめ登録しておくことで早期発見に役立てる制度です。行き先が分からなくなった場合には、家族の同意のもと、江津警察署をはじめ関係機関が連携を図りながら捜索にあたり、早期発見につなげます。

■催し物
9月の認知症月間にあわせて、無料映画上映会と認知症講演会を開催します。地域の皆様のたくさんのご参加をお待ちしております。

○映画「オレンジ・ランプ」上映会
39歳で若年性認知症と診断された主人公とその家族の実体験をもとに、希望と生きがいを持って過ごす姿を描いています。
上映期間:9月中
場所:市内オレンジカフェなど
料金:無料
※上映日時や場所の詳細は、江津市ホームページをご覧ください(二次元コードは本紙掲載)。

○もっと知ろう認知症講演会・認知症個別相談会
日時:9月26日(金)午後1時~3時35分
(受付 午後12時30分~)
場所:済生会総合病院2階講堂
入場料:無料
講演:認知症になっても住み慣れた自宅で暮らし続けるために
講師:黒松基子氏(公益社団法人 認知症の人と家族の会、島根県支部代表)
申込:電話または二次元コード(本紙掲載)から申込む
申込締め切り:9月19日(金)

問合せ:地域包括支援センター
【電話】0855-52-7488