しごと DMAT(ディーマット)隊員養成研修に参加して

百留亮治(ひゃくどみりょうじ)(医師)
杉谷 亘(すぎたにわたる)(看護師)
石田浩介(いしだこうすけ)(看護師)

私たちは1月22日~25日に兵庫県災害医療センターで行われたDMAT隊員養成研修に参加しました。

DMAT(Disaster(ディザスター)Medical(メディカル)Assistance(アシスタンス)Team(チーム))とは医師、看護師、業務調整員で構成されている災害派遣医療チームのことです。大規模な災害や事故などの現場で、急性期(約48時間以内)から救急治療や現場支援などを行います。今回の研修は新たなDMAT隊員を養成する研修です。隊員になった後は5年間に2回の技能維持研修を受け資格を更新する必要があります。
現在雲南市立病院では医師2人、看護師8人、業務調整員4人のDMAT隊員が活動しています。直近では令和6年1月に起こった能登半島地震にも出動しました。日々研鑽に努めながらいつでも出動できる準備を整えています。

■DMATの主な活動
◯病院支援
被災した病院の支援、患者の避難・搬送

◯地域医療搬送
傷病者の搬送や搬送中の治療、総合的調整

◯現場活動
災害現場の傷病者の緊急治療、がれきの下の医療など

◯広域医療搬送
災害発生時は近隣の病院に多数の傷病者が運び込まれ、その病院は機能が麻痺し、傷病者の根本治療が実施できなくなることに伴って行う、被災していない病院や治療ができる県外の病院への搬送

■研修内容
◯1日目
・トランシーバー(災害現場での情報通信)
・トリアージタグの記入
・災害現場でのシミュレーション
・広域災害救急医療情報システム(EMIS(イーミス))実習

◯2日目
・心理ケア
・災害時の医師・看護師・業務調整員の役割などの実習
・シミュレーション

◯3日目
・筆記試験
・実技試験
・シミュレーション

◯4日目
実践訓練

今回の研修で、災害現場におけるDMATの役割は多岐にわたっており、幅広い知識と技術が必要だということを学びました。医療行為だけではなく現場指揮所との連携、通信環境の確立、搬送支援、物資管理支援、ライフライン管理などの役割もあります。また、他県、他病院のDMATとのコミュニケーションも必要になってきます。
これからもいつ起こるかわからない災害派遣に対応できるよう準備・研鑽に努めていきたいと思います。