- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県西粟倉村
- 広報紙名 : 広報にしあわくら 2025年11月号
■指導者の清家さんにあわくらACPについて聞きました。
清家さんは、地域プロジェクトマネージャーとして村の生涯スポーツの推進や、部活動の地域展開の活動を行っています。
■あわくらACPをはじめたきっかけは?
村の子どもたちを見ていると、元気そうに見えても、日常的に外で体を動かす機会は意外と少ないように感じます。厚生労働省やWHO(世界保健機関)では、子どもが「1日分以上の中強度以上の身体活動」を行うことを推奨していますが、実際にはその基準を満たす子どもは多くはないという調査報告もあります。
子どものころの運動は、体力や運動能力の向上だけでなく、将来の健康にも深く関わっています。たとえば、高齢期の大きな課題である骨粗しょう症の予防にも、子ども時代の骨への刺激が重要だとされています。
つまり、子ども期の運動は「予防」であり、保健福祉の入り口でもあるのです。
こうした考えのもと、「誰もが楽しく体を動かせる環境をつくりたい」という思いから、あわくらACPクラブをスタートしました。放課後、学童に迎えに行き、スタッフが体育館まで引率することで、安心して参加できる仕組みを整えています。
学校やスポ少のように「競技」や「上達」を目的にするのではなく、走る・跳ぶ・投げるなどの基本的な動きをあそびその中で育てることを大切にしています。
■村や地域の中でACPを広げることにはどのような意義があるでしょうか?
西粟倉のような小さな村だからこそ、運動習慣づくりを地域全体で支えることに意義があります。
活動後は、PocketでNestさんが実施されている地域食堂にて、希望者はそのまま温かい夕食をとることができます。
学童のお迎えが17時30分だったものを18時45分まで延長し、運動と食事を自然につなぐ流れをつくったことで、保護者の方々の働きやすさや家事の時間の確保にもつながっているのではないかと思います。
結果として、「運動しやすい」「させやすい」「働きやすい」という三拍子がそろい、多くの家庭から参加希望をいただいています。
現在は登録児童28名となり、村の子どもの多くが放課後に体を動かす機会を持つようになりました。
■今後の展望について
そもそも、野山を駆け巡ることが、運動あそびとしては最も質が高いと思っています。
これからは、季節や地域行事と連動しながら、自然の中での活動を増やしていけると嬉しいです。
また、保護者の参加も少しずつ増えてきています。
今は私が指導者としてメインで関わっていますが、いずれはみんなで支え合いながら自走できるクラブに育てたいと考えています。
さらに、今後は「部活動の地域展開」によって、子どもたちのスポーツ環境そのものが大きく変わっていきます。
あわくらACPクラブで育った子どもたちが、次のステージである4年生以上の小学生や中学生になったとき、どのような環境でスポーツを続けられるのかを地域全体で考えていく必要があります。
その先には、大人や高齢者も含めた多世代のスポーツ環境づくりがあり、これは「生涯スポーツ」の視点で、教育・福祉・地域づくりなどさまざまな領域を横断しながら進めていく取り組みです。
子どもの健康づくりから始まったこの活動を起点に、世代を超えて運動やスポーツを楽しめる文化が育つ村にしていけたらと思っています。
■参加するには?
毎週火曜日の放課後、西粟倉小学校体育館で活動しています。
対象は主に小学校1~3年生。
見学や体験も随時受け付けていますので、教育委員会またはクラブ担当(清家)お気軽にお問い合わせください。
学童からの引率・地域食堂への流れもあり、安心してご参加いただけます。
■あわくらACPについて
日程:毎週火曜日(17時45分~18時45分)
対象:小学校1年生~3年生
料金:無料
場所:小学校体育館を中心に、村民グラウンドや自然の中での活動も予定
