くらし [特集]ゼロカーボンシティを目指して 知る+学ぶ→守る 地球のこと
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- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県東広島市
- 広報紙名 : 広報東広島 2025年10月号
猛暑や豪雨、農作物の生育不良…。地球温暖化は私たちの日常生活に大きな影響を与えています。東広島市は、地球温暖化を進める温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする「脱炭素」のまちを目指し、取り組んでいます。脱炭素社会の実現に向けて、今実行することが次世代を担う子どもたちの生活を守ることにつながります。現状を知り、学び、できることを一緒に考えていきませんか。
・ゼロカーボンシティとは
都市全体でCO2排出実質ゼロ(CO2の排出量と吸収量が差し引きゼロの状態)を目指すこと。
■地球温暖化が進むと…
・猛暑日が増える
・大型の台風が増える
・農作物がとれなくなる
・生き物が生息する場所が減る
■地球の未来を守ろう!
「SDGs未来都市東広島推進パートナー」の武田中学校SDGs研究会。日頃から環境課題に向き合う彼らに、脱炭素への思いを聞きました。
・木原さん
災害が減りますように…
地球温暖化が気候変動と深く関わっていることを学び、小学2年生の時に経験した西日本豪雨を思い出しました。異常気象をなくすのは難しくても、脱炭素の取り組みを進める必要があると思いました。
・松尾さん
酒造りが難しくなる!?
地球温暖化は東広島の酒造りにも影響しており、寒い冬に仕込む「寒造り」という伝統的な製法が難しくなるそうです。このままでは東広島の大切な伝統や文化がなくなり、仕事も減ってしまう。まちの元気まで失われてしまうかも。
・北䑓さん
脱炭素で涼しい夏を取り戻したい
この夏は外に出たくても暑過ぎて断念することが多かったです。両親から「昔は夏休みの朝の涼しいうちに勉強した。夏休み明けに運動会があった」と聞き驚きました。脱炭素で涼しい夏を取り戻し、クーラーに頼らず楽しく過ごせる未来を。
・松原さん
どんどん増える猛暑日
気象庁のデータによると、東広島市の平均気温は1980年から約3度上昇し、猛暑日も最大10日から45日に増えたそうです。エアコンを使うことが増えて、CO2の排出量も増加。温暖化がさらに進むのではと心配しています。
■東広島をゼロカーボンシティに!
東広島市は2022年にゼロカーボンシティを宣言し、さまざまな取り組みを進めています。
◇[キーワード] 脱炭素先行地域
2024年、広島大学周辺が環境省から県内で初めて「脱炭素先行地域」として選定されました。市の2050年の目標達成に先行して、この地域では2030年までの脱炭素化を目指しています。
・既存集合住宅へ一括受電サービスの提供
・既存戸建住宅へ太陽光発電設備、蓄電池のリース
・東広島運動公園に太陽光発電設備を導入 など
脱炭素のまちづくりは、地球環境を守ることにつながるだけではありません。行政、企業、地域が協力して進めることで、地域産業の活性化や雇用の創出など地域経済への波及効果が期待されます。さらに、太陽光発電設備などの再生可能エネルギーの地産地消によって、災害時のリスクを軽減することができます。
環境先進都市推進課 船越さん
◇[イベント] 講演会・パネルディスカッションを開催しました
9月6日(土)、広島大学ミライクリエで「異常気象と地球温暖化」をテーマに、気象予報士の依田司さんの講演会が行われました。パネルディスカッションでは、金子広島大学副学長、武田中学校SDGs研究会、東広島市長が加わり、「ゼロカーボンシティひがしひろしま」の実現に向けて、市民がともに取り組めることについて話し合いました。
■知る
◆過去・現在・未来が分かる 環境学習ツール 触(さわ)れる地球
東広島市はゼロカーボンシティを目指しています。そのためには、市民一人一人の環境意識の向上と日常生活での行動が不可欠。地球温暖化対策の必要性について科学的な理解を深められるよう、触れて体験できる環境学習ツール「触れる地球」を導入しました。
◇触れる地球でできること
・200以上のメニューがあり、地球の過去・現在・未来の姿を変化する映像によって知ることができます
・国立環境研究所のデータや人口動態などの統計データ、世界各地のライブカメラ映像を見ることができます
・手を近づけて映像を動かしたり、自由にデータを表示したりするなどの体験学習ができます
◇行ってみよう(詳しくは5ページへ)
・広島中央エコパークに常設予定。小学校の社会見学などで活用します
・市内のイベントなどに出展。実際に触れる機会も
◇触れる地球を使った東広島オリジナル 大学生が地域学習プログラムを作成
近畿大学工学部化学生命工学科の学生が授業の中で、東広島市が抱える行政課題の解決に向けて検討を行いました。今秋以降に広島中央エコパークで行われる小学生の社会見学に向け、「触れる地球」を使った学習プログラムを作成。地球温暖化やごみ排出量増加などの環境問題が東広島市に与える影響について、楽しく学べるように工夫しています。
■学ぶ
◇[見学] 広島中央エコパーク
東広島市・竹原市・大崎上島町のごみと東広島市・竹原市のし尿・浄化槽汚泥を広域的に共同処理する施設。処理物全てを再資源化しています。また、ごみの処理で発生する熱エネルギーを利用して発電も行っています。環境学習コーナーでは、施設の仕組みなどについて学ぶことができます。
見学してみよう!
(1)自由見学(当日16:00までに事務室で受付)
(2)団体でのツアー見学(1週間前までに申し込み)
開場日:月~金曜日 ※祝日を除く
時間:9:00~16:45
◇[イベント] 行ってみよう! 広島中央エコパークフェア 2025エコ祭り
くるまdeフリマ、コンサート、カフェ、工場見学、ミニ縁日など、家族で楽しめる催しがたくさん。「触れる地球」ワークショップも!
日時:10月19日(日)10:00~15:00
※雨天決行(雨天の場合、くるまdeフリマのみ中止)
場所:広島中央エコパーク
問合せ:広島中央エコパークイベント実行委員会
【電話】082-426-0820
[同日開催] ひがしひろしまこどもエコ探検隊 in エコパークフェア! 外来生物について学ぼう!
場所:広島中央エコパーク 管理棟3階 大会議室
問合せ・申込先:生活衛生課
【電話】082-422-1048
◇[サイト] 学びを深めよう! 環境学習サイト「のん太の自然発見パーク!」
東広島スマートエネルギー株式会社と近畿大学工学部が連携し、環境学習コンテンツを制作。「東広島の自然」や「地球温暖化」など、8つのテーマを楽しく学べます。
仮想空間での「避難体験」メニューも。「西条の水」についても学べるよう準備中です。
◇[講座] 専門家から学ぼう! ひがしひろしまエネ・エコセミナー
広島大学や市の専門家が講師となり、エネルギーや環境についてテーマ別に講義します。
(1)二酸化炭素を集めて使う―カーボンリサイクル―
10月11日(土)14:00~16:00
(2)燃やしても二酸化炭素の出ないクリーン燃料―水素―
11月15日(土)14:00~16:00
場所:広島大学ミライクリエ
対象:小学4年生以上
定員:30人(希望者多数の場合は抽選)
※申し込みはウェブ、締切は(1)10月4日(土)(2)11月8日(土)
◇[講座] 講師が行きます 生涯学習まちづくり出前講座
10人以上の市民のもとへ出張し、環境に関するテーマについて講座を行います。
■特集に関するアンケート実施中!
アンケート回答者の中から抽選で、市の特産品を贈呈します。回答期限は10月31日(金)
問合せ:環境先進都市推進課
【電話】082-420-0928