- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県岩国市
- 広報紙名 : 広報いわくに 令和7年4月1日号
●網膜剥離(もうまくはくり)
網膜剥離という病気をご存知ですか。ボクシングなどで目をけがした時に起こることが有名ですが、実は自然に発症することも多い病気です。
目の中にはゼリー成分が入っている硝子体(しょうしたい)があり、これが収縮することで生じる後部硝子体剥離という加齢性変化(図1のA)があります。およそ7~8割の人に生じる年齢的な変化ですが、この変化に伴って網膜剥離(図2のB)が自然に起きることがあります。
後部硝子体剝離は近視の人ほど生じやすく、そのため近視の人に網膜剥離が多いことが分かっています。日本は世界一の近視大国と言われており、網膜剥離の発症率が高いと考えられています。
網膜剥離の自覚症状で、1番多いのが飛蚊(ひぶん)症です。白い壁などを見ると、点や糸くずのようなものが見える症状のことで、急激に増えた時は要注意となります。網膜剥離の発症初期は、目の中で出血や色素散布という変化が起こり、小さい飛蚊症が増えることが多いためです。
2番目に多いのが視野欠損で、網膜剥離が起きると、剥離した部位の見える機能が低下して、見える範囲が狭くなることがあります。
こういった症状があるときは、早めに眼科を受診してください。早期の治療であればレーザー治療で治る可能性があります。
レーザーの適応を超えた網膜剥離は手術治療をする必要があります。これは硝子体手術や強膜内陥術(きょうまくないかんじゅつ)という限られた施設で実施されている治療となります。いずれの手術も以前はほぼ入院して行っていた治療でしたが、最近では日帰り手術で行えるケースも増えています。
飛蚊症や視野欠損を感じたら、早期であれば視力への影響が少ない段階で治療できる可能性がありますので、早めに眼科を受診することが大切です。
※詳細は、本紙をご覧ください。
〔岩国市医師会〕