くらし 《特集ページ》ヤングケアラーを知っていますか?

ヤングケアラーとは、本来、大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っている子供のことです。家族を支えるために大きな責任を担っており、さまざまな問題や悩みを抱えている場合もあります。
このような子供たちが必要な支援につながるために、まずは私たち一人一人がヤングケアラーについて正しく理解することが大切です。
・障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている。
・家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている。
・目の離せない家族の見守りや声かけなどの気づかいをしている。
・日本語が第一言語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている。
・家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている。
・アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している。
・がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている。
・障がいや病気のある家族の入浴やトイレの介助をしている。
出典:こども家庭庁

◆中学2年生の17人に1人、1日7時間以上というケースも
国が行った調査では、中学2年生で5.7%(約17人に1人)、全日制高校2年生の4.1%(約24人に1人)がヤングケアラーという結果が出ています。これは1学級に1~2人のヤングケアラーがいる可能性を示すものです。さらに小学6年生の場合、6.5%(約15人に1人)という調査結果もあります。
ヤングケアラーは毎日多くの時間をケアに費やしており、平日1日あたりの世話に費やす時間が7時間という子供も少なくありません。

▽平日1日あたりの世話に費やす時間

出典:厚生労働省、文部科学省

◆ヤングケアラーが抱える問題点とは
ヤングケアラーが担っているのは、いわゆる「お手伝い」の範囲を超えた大きな責任を伴うものです。子供の年齢や成熟度に見合わない過度な負担を背負うことは、本来あるべき子供自身の生活や健康に多大な影響を及ぼします。調査の結果、ケアを担う子供たちの多くが「家族の世話を優先するため、自分の時間が取れない」と訴えています。

「ヤングケアラーは、誰にも言えない悩みを抱えています」
▽学校のこと
・遅刻や欠席が多い
・部活動に参加できない
・勉強する時間がなくて困っている…など
▽健康状態のこと
・睡眠不足が続いている
・常にストレスを感じていて
イライラする
・疲労・体調不良…など
▽友人関係のこと
・友達と遊ぶ時間がない
・ケアのことを話せない、理解してもらえない
・孤独を感じる…など
▽将来のこと
・家族を残して一人暮らしすることができない
・進学・就職に不安を感じている…など

◆子供たちのいま、みらいを守るために
ヤングケアラーには、家族のケアをするのは当たり前のことと考え、本人がケアを負担と捉えていないケースもあり、周囲の気づきを一層難しいものにしています。
家族のケアをすることが、子供によっては貴重な経験や学びとなり、豊かな感性や社会スキルを得ているという面もあります。
しかし、ヤングケアラーは自分からSOSを出しにくいため、周囲の大人が近くに心配な子供はいないか、変わった様子はないかなど、気に掛けておきましょう。
子供たちが子供としての時間を持ち、大切な成長期を過ごしていけるように、地域全体で支える取り組みを進めていきましょう。

※「もしかして自分はヤングケアラーかもしれない」、「身近な子供がヤングケアラーではないか心配」といった相談は、電話やメール、SNSなどから受け付けています。

問合せ:
・山口県ヤングケアラー専門相談窓口(24時間受付)【電話】0120-85-1177【メール】[email protected]
・岩国市こども家庭センター【電話】0827-29-5076
・つながるやまぐちSNS相談
家族や自分のこと、毎日24時間LINEで相談できます(本紙2次元コード参照)