- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県長門市
- 広報紙名 : 長門市広報 知っちょこ 令和7年10月号
■10月は男女共同参画推進月間
◆男女共同参画を地域で考える
全国的に都市部への人口流出により活力維持が難しくなっています。そこで地域の魅力を高めるカギとして、男女共同参画の視点を取り入れた地域づくりが注目されています。
今、人口移動が最も多い若い世代では、職業の選択に働き方の柔軟性を重視しています。
誰もが生き方・働き方の希望を実現するための育児・介護休暇の取得がしやすい法律の改正が進んでいます。年齢や性別にかかわりなく、あらゆる世代で暮らしやすい地域づくりを考えてみませんか。
◆仕事と育児を両立 令和7年10月から法改正
令和7年10月からは、柔軟な働き方を実現するため、左記の内容の措置が全事業所に義務化されることとなりました。
(1)育児期の柔軟な働き方を実現するための措置
(2)柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認
◇対象児童を養育する労働者に関し、「選択して講ずべき措置」を2つ以上選択
[対象児童(育児期)]3歳から小学校就学前
[選択して講ずべき措置]
1)始業時刻等の変更(いずれか)
・フレックスタイム制
・始業または終業の時刻を繰り上げ、繰り下げ
2)テレワーク等
3)保育施設の設置運営等
4)養育両立支援休暇の付与
5)短時間勤務制度
[周知時期]
労働者の子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間
(1歳11カ月に達する日の翌々日から2歳11カ月に達する日の翌日まで)
[周知事項]
1)事業主が(1)で選択した対象措置(2つ以上)の内容
2)対象措置の申出先(例 人事部など)
3)所定外労働(残業免除)・時間外労働・深夜業の制限に関する制度
[個別周知・意向確認の方法]
(1)面談 (2)書面交付 (3)FAX (4)電子メール等のいずれか
※(1)はオンライン面談も可能
(3)(4)は労働者が希望した場合のみ
◆山口県内のパパの育児休業の取得状況は?
◇山口県男性育児休業取得状況
◇男性育児休業を取得しなかった理由は?
・配偶者や親など、自分以外に育児を担う人がいる
・収入が減ってしまう
・男性自身に育児休業を取る意識がない
・休業中の業務対応が難しい
・職場の人手が不足しているなど
※令和5年度働き方改革推進実態調査より
(対象…県内の従業員5人以上の事業所)
■「ピンチはチャンス」男性育休で職場が変わった
◇こっこ株式会社
代表取締役 末永光佳さん
国の制度整備や意識の変化により、男性も子育てに関わる時代が当たり前のものとなりつつあります。しかし一方で、「職場の理解」「人手不足」「業務への影響」など、導入には多くの壁があるのも事実です。
実際に男性が育児休業を取得した企業の声として、「こっこ株式会社」の末永社長にお話を伺いました。
年間約100万羽の地域ブランド「長州どり」を生産している「こっこ株式会社」。総勢11人の社員の平均年齢は30代と若く、次世代の養鶏業を先導されています。
令和5年から、社員のうち1人は1年間、もう1人は、6カ月を2回に分けて育児休業を取得しました。
◇意識の変化
私には子どもが3人いますが、自分の時には男性が育児休暇を取得するという考えがありませんでした。制度があることを知り、社員の育児休暇を導入しました。
◇育休が生んだ 『チーム力』と『効率化』
最初は、前例がなく戸惑うこともありました。代替職員もいませんでしたが、仕事の段取りを工夫したことで、作業効率が上がり社内全体としては生産性が向上しました。また、困った時には、社員の家族や知人の方が時間給で手伝ってくれたりと地域の皆さんが援助してくださり、本当にありがたかったです。
◇会社にもメリット! 助成金の活用
国の助成金もあり、経営面でも支援を実感しました。今回の育児休暇で、社員の成長と職場の一体感が高まったのが何よりの成果でした。
■男性育休を取得したパパに聞いてみました
◇Aさん
3人目の子どもが生まれたときに1カ月間育児休暇を取りました。昼食を作ったり、上の子と遊んだり、家族としっかり向き合える貴重な時間でした。普段なかなかできない家事や育児に関わることで、家族の絆もより深まり、かけがえのない経験になりました。
◇Bさん
育児休暇を取得することに気が引けていましたが、職場の先輩が「心配しなくていい」と後押ししてくれました。休暇を取得したことで、家族への愛情だけでなく、妻への感謝の気持ちも深まりました。復帰してからは、働き方について見直すきっかけにもなりました。
◇Cさん
管理職という立場で育休取得に迷いもありましたが、2人の子どもでそれぞれ取得しました。2回目は周囲の理解もありスムーズに。子どもの成長を間近で感じられ、家族と過ごす時間はかけがえのないものでした。復帰後も柔軟に対応してもらい、制度の大切さを実感しています。
◇Dさん
意識の変化育休が生んだ『チーム力』と『効率化』会社にもメリット!助成金の活用職場初の男性育休でしたが職場の理解もあり安心して取得することができました。取得して一番良かったのは、新生児の大変な時期を夫婦2人で共有できたことです。家庭が安定したことで、復帰後はモチベーションも上がり仕事にも集中できています。
◆やまぐち『とも×いく』応援企業登録募集
山口県では、男女で育児・家事を分担し、ともに希望に応じてキャリア形成との両立が可能となる社会を目指しています。こうした社会を実現していくため、男女ともに希望どおり育休を取得することを推奨し、働きやすい職場環境づくりを推進する事業者の登録を募集しています。
登録事業者には奨励金の支給制度があります。
・市内登録数22社
・山口県全体1,126社
問合せ:やまぐちともいく応援事務局(やまぐち働き方改革支援センター)
【電話】083-974-2050
◆やまぐち男女共同参画 推進事業者募集
山口県では、社会全体で男女共同参画を推進する気運の醸成を図るため、ワークライフバランス実現に向けた自主的な活動に取り組んでいる事業者を「やまぐち男女共同参画推進事業者」として認証し、その活動を支援しています。現在市内では、31事業者が認証されています。
また、女性労働者の活躍に向け、積極的に取り組むことを宣言する事業所を「やまぐち女性の活躍推進事業者宣言制度」により応援します。
※詳細はホームぺージをご確認ください
問合せ:山口県男女共同参画課
【電話】083-933-2630
◆男女共同参画推進月間パネル展を実施します
期間:10/7(火)~31(金)
場所:本庁、ラポールゆや
※図書館では図書の展示も行います
問合せ:市民活動推進課
【電話】23-1299