くらし [特集] 安心してより良く生きる!終活エンディングノート
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- 発行日 :
- 自治体名 : 香川県丸亀市
- 広報紙名 : 広報まるがめ 令和7年7月号
超高齢社会が進む中、単身世帯の「おひとり様」や核家族など、様々なライフスタイルが当たり前の世の中になってきました。そのうち、自身の生活を見直して「終活」を意識している人は、どれほどいるのでしょうか。終活とは、人生の最期を考えて、自身や家族のために身の回りの整理や準備をすること。
「財産管理や相続のことは家族がいるから大丈夫」「元気なうちは考えたくもない」と思うかもしれません。
しかし、万一あなたが認知症になって判断能力が低下したとき、もしくは事故などで身体が自由に動かなくなったとき、あなたの思いや情報が分かるツールがあれば家族や周囲はもっと安心するかもしれません。
今回の特集で紹介するのは、そのツールの一つである「エンディングノート」です。3ページには「本当にゆるいエンディングノート」を付けてみました。
もしものとき、または人生のエンディングに備えて、伝えたいことや行動したいことなどを元気なうちに整理してみませんか。
◆エンディングノートの何がいいの?
・自分の人生を振り返り、不安や問題に気づく
・延命治療の希望や葬儀、供養について、言葉では伝えにくい思いを整理できる
・普段は離れて暮らす家族でも、介護や遺品整理などを行うとき判断材料になる
・相続や保険など重要な契約書類以外にも、大切にしていた品などの探し物の手間や負担を減らせる
・遺言書に加えて、家族や友人など大切な人へのメッセージを何度も考え書き直して残すことができる
◆遺言書との違いは?
遺言書の下書きとして、エンディングノートを活用してみましょう。
《終活ノオト》
○interview
「終活ノオト・きむらなみ」
木村 奈美さん
市内在住。終活カウンセラー1級。
iACP もしバナマイスター。
誰もが抱える心の孤独を解消することを目指して、マルタスなどで終活の重要性を伝える市民活動を行う。8月20日(水)には講師として、市民福祉講座に参加予定。詳しくは市社会福祉協議会ホームページまで。
木村さんが終活を意識したのは16年前、母親の死がきっかけです。本人の思いや希望を聞けずに別れてしまった木村さんは、終活の必要性を痛感しました。そこで始めたのが「ゆるい終活」をテーマに、紙媒体やSNSでの情報発信です。市民活動「終活ノオト・きむらなみ」として動き出したのは数年前。40歳代の働き世代に自分の棚おろしやライフプランを考えてもらう終活イベントを開催しました。
「終活は死に支度と思われがちですが、今をより良く生きるための活動と捉えてもらえたらと思います。漠然とした老後の不安を書いて整理することで自分らしく生きるきっかけにしてほしいです。『終活エンディングノート』と私が呼ぶのも、それらを伝えたいため。もちろん、無理にする必要もありません。
大切なのは、元気なうちに考えや思いを周囲に共有しておくこと」と木村さんは話します。
その上で、初心者向けにおすすめする終活は3つ。
(1)財産を把握する
銀行口座の解約も本人以外だと時間がかかるため、不要な口座は片付けること。
(2)家の中の危険を排除する
高齢期に家の中でのけがを防ぐため。また、将来介護ベッドが必要なときにはスペースを用意しておくことで家族の負担を軽減できます。
(3)健康・体力づくりに励む
生活習慣病や認知症になるリスクを減らすため。
エンディングノートや初心者向け終活から今を見つめ、未来をより良く歩んでみませんか。
◆まずは試すことから。本当にゆるいエンディングノート
記入日:年・月・日
○Profile
・名前
・誕生日
・血液型 型
・住所
・出生地
・本籍地
・電話
・携帯電話
・好きなこと
・好きな食べ物
・お気に入りの写真
この写真の保管場所はどこ?
例)リビングに飾っている
○あなたにとって大切な人の連絡先
・名前
・住所
・電話
◎ありがとうって伝えたい!
○これから実現したいことは?
例)ハワイ旅行
○そのために、今、できることは?
例)家の周りを歩いて健康づくり
○スマホやパソコン、自分以外が開くことはできる?
できる・できない
○チェックリスト
・自分の預貯金や保険などを記録している
・かかりつけ医を決めている
・お葬式の希望場所や喪主は誰か決めている
・スマホのパスワードやネット銀行の情報など必要なデータはまとめている
・遺言書を作成している
・上記すべての項目について家族や周囲は把握している
○あの人へメッセージ
エンディングノートは定期的に見直し、周囲にノートの存在を伝えることが大切。上記はほんの一例です。足りない箇所は市販のエンディングノートもご活用ください。
※詳細は本誌P.3をご覧ください。