くらし じんけん探訪 114

■性的マイノリティ※
◇性的多様性の視点でみると
性別の種類は、身体的な性、自認する性、好きになる相手の性、表現する性の4要素があります。組み合わせで、多様な性の在り方が医学的にも認知されています。
これまでは、男性と女性の2つしかないという認識が中心にあり、「身体的性と違う振る舞いをしている」「恋愛スタイルが自分と違う」として、いじめや差別の対象とされることもありました。
その結果、当事者は「周囲の理解度が低いためにカミングアウトができない」「本来の自分を偽(いつわ)る必要によるストレス」「同性婚が認められない」という、悩ましく苦しい立場に立たされてきました。

◇性同一性障害特例法とは
日本では、2004年から、医師の診断に合わせて特定の要件を満たせば、戸籍上の性別を変更できる『性同一性障害特例法』が施行されました。
本法では、もともと、戸籍の性別を変更する際、「生殖能力をなくす手術をすること」が要件としてありましたが、2023年10月、最高裁判所は、手術を受けないままでの戸籍上の性別変更を認める判断を示しました。特例法の施行から19年を経て、性の多様性を尊重する国民の理解が、より良い社会的な変化を生んでいるのかもしれません。

◇「寄り添い」のかたち
性的マイノリティの人が、自分らしさを大切にしながら安心して生活するためには、まわりの理解と支えがとても大切です。

例えば
・相手が悩みや打ち明け話をしてくれたとき、否定せずにゆっくりと耳を傾ける
・自分は理解者であると、当事者に伝える

こうした行動は、当事者の社会的な立場の向上や、平等な社会づくりにつながります。
このように、性的マイノリティの人に寄り添う人のことを、英語で「仲間や同盟」を意味する『アライ(ALLY)』と呼びます。
あなたの小さな言葉や行動が、誰かにとって大きな支えになることがあります。誰もが尊重され、安心して暮らせる社会を、共に築いていきましょう。

※性的マイノリティ(LGBTQ+(エルジービーティーキュープラス))とは…レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングの5つの頭文字を取り、その他のプラスを付けた性的少数者の総称のこと。

問い合わせ:人権課
【電話】73・3008