- 発行日 :
- 自治体名 : 香川県土庄町
- 広報紙名 : 広報とのしょう 令和7年9月号
■指しゃぶり〜ダメではないけど時期をみてやめたい〜
小豆島中央病院小児科 山本真由美先生
乳幼児健診でよく出る質問のひとつに、指しゃぶりのことがあります。
指しゃぶりは、赤ちゃんにとっては生理的なもの。手の動きが活発になる2〜3ヵ月頃から見られます。5〜6か月頃になると、自分の意志で指しゃぶりをしたり、手に持ったものを口に入れたりなめたりして認知していきます。従って、この時期の指しゃぶりは無理にやめさせる必要はありません。
1歳頃、歩き始め、言葉が出だし、手を使った遊びをしはじめて活動範囲が広がってくると、活動をしている間の指しゃぶりは減ってくることが多いです。ただ、不安なとき、手持ち無沙汰なとき、眠い時には、まだ指しゃぶりをすることはよくあります。一般的には、活発に活動するようになる3歳頃までに自然となくなることが多いと言われています。
3歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合は、習慣化してしまって歯並びやかみ合わせに影響することが心配されるため、少しずつやめられるようにしていけるといいでしょう。無理にやめさせようとするのではなく、お子さんとスキンシップをはかる、手を使った遊びを提案して一緒に遊ぶなど、自然と他のことに注意を向けたり、手を使わないとできない活動に誘ったりして、指しゃぶりをしなくなる方向へ導いてあげましょう。
おしゃぶりも便利なものですが、漫然と使うと、乳児期に指や物を口に入れて学習する機会や声を出す機会が減ったり、習慣化しやすく、やめにくくなってしまう傾向があると言われています。発語が期待される1歳過ぎには、やめる準備を始める方が良さそうです。
赤ちゃんは口を使って学ぶことも多くあります。上手に見守っていきたいものです。