くらし 【巻頭インタビュー】今、注目の西条市出身の若手俳優 松本怜生
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- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県西条市
- 広報紙名 : 広報さいじょう 2025年4月号
■「西条は誇れるふるさと」育んだ思いと挑戦
西条市出身の俳優・松本怜生さん。2024年度後期NHK連続テレビ小説「おむすび」に出演するなど、今注目を集める若手俳優です。
今回、初の写真集の撮影で地元・西条を訪れた松本さんに、俳優を志したきっかけや、これまでの道のり、そして故郷への思いを伺いました。
◎6歳のときに野球を始めたんですね。
バスケットボール一家だったんですけど、小さい頃に父がバットを買ってくれて、とても喜んで振っていました。それがきっかけでリトルリーグに入り、高校までずっと硬式野球を続けました。
◎高校は小松高校に進学。思い出は。
上下関係がとても厳しく、敬語を使うだけでなく、相手の感情を考えて行動する大切さを学びました。社会に出てからも役立つ「礼儀」を身に付けられたと思います。ただ、けがに悩まされた高校生活でしたね。
◎3年生最後の夏の大会前にけがをしたそうですね。
夏の大会2カ月前の練習試合で靭帯を切る大けがをしてしまいました。実はその前にも同じ箇所を痛めていて、1年間リハビリをして復帰したばかりだったんです。ブランクがある分、同級生に追いつこうと必死に練習していたので、けがをした瞬間は本当に悔しくて、ずっと泣いていました。頭が真っ白になるほど、今までの人生で一番辛かった瞬間でしたね。
◎けがをきっかけに俳優を目指すようになったと。
けがで野球ができなくなったことで、初めて野球以外に目を向ける時間ができました。その間にたくさんの映像作品を観るようになり、俳優という職業に興味を持ちました。
◎大学進学後、俳優の道へ。
正直、最初は「有名になれたらいいな」くらいの気持ちでした。でも、気付けば無意識のうちに俳優への道に向かって行動していて、TikTokを始めたのもその延長でした。とにかく夢中で最終的には東京で本格的に挑戦したいという気持ちに変わっていきました。
◎ご両親の反応は。
母は「やりたいことは全肯定」してくれる人で、ただ「筋は通しなさい」と言われました。でも父には猛反対されましたね。「お前に芝居ができるわけない」と(笑)。学生時代は行事にも積極的に参加するタイプではなかったので、父の言うことももっともでした。でも、最終的には自分の意思で決めました。今では、父が一番応援してくれています。
◎俳優になって3年。振り返ってどうですか。
上京したときは、「やってやろう!」という気持ちが大きく、不安はなかったです。これまでいろいろな作品に出演できているのは、本当に周りの方々のおかげだなと。感謝の気持ちでいっぱいです。でも、まだ3年目です。これからが本当の勝負ですね!
◎壁にぶつかる瞬間もありますよね。
そうですね。東京に西条の友達が2人いるんですが、彼らは俳優ではなく、一人の友人として接してくれるんです。悩んだときには先輩に相談することもありますが、地元の友達と過ごす時間があると昔の自分に戻れるというか、すごく気分転換になります。地元のつながりって本当に大事だなと感じますね。
◎仕事で大切にしていることは。
まずは挨拶ですね。当たり前のことですが、しっかり目を見て話すことや、思いやりを持って行動することは、高校時代の監督からも教わった大切なこと。今後も続けていきたいです。
◎今後の目標は。
大河ドラマに出演することです!
◎写真集の撮影地に西条を選んだのは。
今回が初めての写真集なので、一冊目はやっぱり育った場所で撮りたいと思いました。24年間のうち18年を過ごした西条は、僕にとって特別な場所。ここ以外に撮る選択肢はありませんでした。
◎地元を離れて改めて感じた西条の魅力は。
「胸を張ってふるさとと言える場所」ですね。人も温かいし、どれだけ忙しくても落ち着ける唯一の場所。ここで育ってよかったなと、離れてみてより実感しています。
◎最後に西条に期待すること、そして夢を追う若者へメッセージを。
実は、大学進学のとき「俳優になる」とは誰にも言わなかったんです。普通は地元で就職するみたいな考えが自分の中であったので、なかなか口にできなくて。だから挑戦することを応援してくれる環境がもっと増えたらいいなと思います。僕自身も挑戦した一人として、これから夢に向かって進む人たちのお手本でありたいし、どこにいても「西条で育った」という誇りを持ち続けていきたいです。
◆松本 怜生(れお)さん
西条市出身。24歳。6歳のときから野球を始め、小松高校に進学。卒業後は大阪へ進学し、2021年より芸能活動を始める。2022年にテレビドラマ初出演を果たし、2024年にはNHK連続テレビ小説「おむすび」にも出演。
《書籍情報》
書名:松本怜生1st写真集『Re:Ø』
発売日:2025年4月25日(金)
定価:3,300円(税込)
発行:KADOKAWA
自身が通っていた小学校や、野球部の仲間と共に汗を流した高校など、青春時代を過ごした思い入れのある場所を巡る旅へ。故郷での撮影だからこそ捉えられた、素の表情を満載に収録。タイトルにも込められた「Re:(再び)」「O(原点)」…【原点回帰】の想いに相応しい一冊が完成。